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2010年5月20日 (木)

1145 不可欠エネルギー

事業所のエネルギーの使い方や省エネルギーに関しては、実は話は結構簡単です。お金(付加価値とエネルギーコスト)で説得すれば、よほど頭の固い経営者以外は納得してくれるからです。しかし、日常生活で私たちが消費しているエネルギーを、VAENVEに分ける事は事実上できません。その人のライフスタイルや価値観まで立ち入って吟味する必要があるからです。例えば、車が趣味で、4-5リッターも廃棄量があるSUVを転がしている人に、世の中にはガソリン1リッターで1000kmも走る車がある事を説明しても、「それがどうした」の一言で切って捨てられる事でしょう。その人にとっては、ガソリンをまき散らして砂浜や荒れ地を走る事こそが価値だからです。

その意味で、日常生活で使われるエネルギーに「色を付ける」とするなら、そのエネルギーが生活を維持する上で、不可欠なものであるか否かという物差しを持ち込まなければならないでしょう。とは言いながら、これも結構難しい話ではあります。例えば、毎日の通勤にたった一人しか乗っていない車を転がすのは、「必要でかつ不可欠か」と問われれば、多分半分くらいの人たちは、首をかしげるかもしれません。つまり、公共交通機関や会社の通勤バスを使えば、少し不便でも何とか通勤は可能な人が多いからです。

また一方で、この国では何の気なしに毎日沸かしている風呂ですが、これが果たして「必要不可欠」であるかどうかも議論が分かれる行動でしょう。アフリカの草原に住む人々が、毎日入浴しているなどとはとても考えられません。その様な「無駄な水」は一滴も存在しないからです。精々、井戸のそばで、頭から水をバケツ一杯かぶる贅沢が許される程度でしょう。つまり、不可欠であるか否かの境界線は、国や人々が置かれた環境で、雲泥の差が出る事になります。世界の人口の2割しか占めていない先進国が、エネルギーの半分以上を使っているという事実は、結局途上国と比較して、必要不可欠のレベルが国や文化によって大きく異なる事を意味します。

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