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2010年5月26日 (水)

1148 竹の戦略

ジョギングコースの川岸の狭い集落を包む里山の裾は、多聞に漏れず竹に占領されています。しかも良く見れば、その上の自然林(あるいはかつての薪炭林)の中にまでかなり進出している様です。どうして、枝葉を広げている樹木の間に竹が進出する事が可能なのかを考えてみると、どうやら地下茎に秘密がありそうです。植物は、光合成のために太陽光が注ぐ様に葉を広げる必要がありますが、樹林帯に竹が進出するためには、樹木の上に伸びて、葉を広げる必要があります。竹は、年間5m程度は伸ばせる地下茎を使って樹林帯に侵入し、親竹の養分を地下茎に蓄えておいて、春先に地下茎から新芽(タケノコ)を、信じられないくらいのスピードでそれを成長させます。それは、伸縮できる釣りざおを伸ばす行為にも似ています。つまり、親竹もタケノコも、根元の太さは一生変わらず、節の間だけを伸ばす訳です。

竹は、その類まれな戦略をもって、その昔たった1本(数本?)だけ中国から移入され、日本でこれほどの隆盛を誇るほどまで反映して(はびこって?)いる訳です。竹の、多分唯一の弱点は、竹は種子で増える植物ではないため、当然ですが中国から移入された後は全て、根の移植でふやされたという事実です。つまり、全ての竹は同じ遺伝子を持っているという事になります。従って、同時に花を付けて、同時に枯れるのも仕方がない運命です。もし竹を枯らす、強力な微生物や昆虫が登場すると竹は全滅してしまう可能性も抱えている植物なのです。

とはいえ、竹は木材に比較して、2倍程度CO2をセルロースとして固定する力が強い植物であり、竹の繊維や抽出物にも有効な成分を多く含んでいると言われていて、放置され厄介者とだけ思われている彼らには、同情を禁じ得ません。

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