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2011年3月31日 (木)

1335 人工地盤

震災・津波災害の復興は必要ですが、そのためにはまずしっかりとした青写真を描くことが必要です。それは、空襲を受けた都市の復興に似たものになる筈です。まずは、特に津波の爪痕を詳細に検証することから始める必要がありそうです。確かに、山を駆け上がって30mの高みにまで津波は押し寄せたでしょう。しかし、それは入り江が狭まり、山が迫っている地域に限定されるでしょう。したがって、町を再建する際に30m以上の山を削って、そこに新しく建設し直す必要まではない筈です。

また「復興は復旧であってはならない」でしょう。復旧では、津波のリスクが残ったままになるからです。したがって、復興の青写真には再創造の視点を入れなくてはなりません。ここでの提案は、基本的には、今ある土地に人工的な地盤を作るというアイデアです。平地での津波高さが、例えば10m程度に留まったのであれば、10mの高さの人工地盤を作れば、千年に一度の津波にも大丈夫だと確信できるでしょう。つまりは、新幹線の高架の様な、人工的な地盤を作り、そこに街を建設する事にするのです。10mの防潮堤は、無力であることは証明されたのですから…。

人工地盤の下には、倉庫や市場や駐車場など、もしもの場合は流されても仕方がない施設を作ります。人工地盤の上には、中層の集合住宅を作り、これまで無秩序に広がっていた市街地を集約します。余った土地は、公園や農地やある程度の高さのある公共的な施設を建設します。人工地盤の上の街の交通機関は、基本的には徒歩と自転車だけにします。港は、少し工夫が必要でしょう。つまり、津波が襲来した時に、波がまともに乗り越える様な岸壁だと、係留されている船は全て陸に打ち上げられるからです。たぶんその対策としては津波がUターンして、回り込まざるを得ない様な行き止まりの入り江に港を移すしかないでしょう。そこでは、確かに船は引き波、押し波で上下はしますが、頑丈な浮桟橋にでもしておけば流される事は避けられるでしょう。

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1334 超夏時間

T電の電力需給ひっ迫は、気候の良い今の中間期は一段落しているように見えますが、夏場に向かうにつれて、本当の危機に向かう様相です。現在の電力ピークは、暖房負荷の増える朝晩ですが、暑い夏場は昼下がりの冷房負荷により、現在のピークよりさらに数十%高いピークを打つはずです。これを下げるには、時間差攻撃、即ち夏時間の活用しか思い当りません。それも、1時間程度の夏時間シフトでは間に合いません。第1シフトの企業や家庭は、踏ん張って朝4時か5時には仕事や活動を始めて、昼には終わるようにします。第2シフトは、その後に活動を開始する訳です。それも、社会活動を完全に2分すると、新たなピーク電力が発生しますので、それぞれのシフトでも前後1時間程度の、小シフトを組み合わせれば理想的です。

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2011年3月30日 (水)

1333 閉塞打破

福島第1が行き詰っているようです。冷却水は入れたし、しかし放射能を帯びた廃水を溜める場所はなしという閉塞感です。これは、原発の中だけで処理しようとする方針に間違いがあると見なければなりません。例えば、大型タンカーを原発の岸壁に横付けするだけで、何十万トンも水の供給源や廃水の入れ物ができるわけです。加えて、タンカーには、消防車など足元にも及ばないほど、強力な蒸気タービン駆動のポンプが備わっていますので、水の移動も短時間で完了できます。危ない廃水は、緊急避難で海に流す事を考えるくらいなら取り敢えずこのタンカーに貯めておき、その後の処理は別途陸上施設での処理を考えれば良いわけです。

完成寸前の新品のタンカーでも数十億円も出せば、善意の船主が譲ってくれるでしょうし、古くなって退役寸前のタンカーなら、ほとんどタダで入手できるでしょう。必要な事は、有効な手立ての見つからない閉塞感の中で結果の出ない消耗戦を続けるのでなく、物量作戦に切り替える方向転換です。確かに、放射能を帯びた大量の水は、新たな厄介者にはなりますが、取り敢えず数センチの厚みを持つ鋼鉄製の入れ物に溜めてさえおけば、環境への放射能拡散は最小限で済みますし、それを処理する仕掛けを作る時間も十分稼げるわけです。

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1332 ティッピングポイント

このブログでは、最早後戻りができない点をPONRPoint of No return)や閾値(しきいち)などと呼んできましたが、最近はティッピングポイント(Tipping Point)と呼ぶのが国際的にも流行なんだそうです。Tipは心付けの「チップ」と同じ綴りですが、英語の口語的には「ひっくり返す」というほどの意味もありますので、それまで平穏に経過していた事態が、ある日突然に大荒れになるとの連想があるのかもしれません。

さて、身近でもティッピングポイントを体験することがあります。例えば、ズボラをして電子レンジで湯を沸かしたいと思って、カップ一杯の水をレンジに入れてスタートさせたとしましょう。出力で言えば、500-700wもの強い電磁波を浴びせられ続けている少量の水の温度は、あっという間に上昇し沸騰温度に近づきます。投入するエネルギー(のレート)が強すぎる結果、沸点は瞬間的に通過し「爆発的に沸騰」してしまいます。湯は、急激に泡沫となって沸騰し、吹きこぼれて、コップには殆ど残らない事でしょう。この現象は、直前までは「何も起こっていない様にも見えます」が、水の中では、沸騰の寸前まで分子運動が急激に激しくなっている訳です。

環境の悪化と、その結果現れる悪影響も、これと同様のプロセスを示す可能性があります。つまり、表面上は、レンジ内のコップの水の様に、平穏な状況が続いているように見えるのに、環境の内部では取り返しのつかない悪化が静かに進行し、ある日突然に「誰にも止められない災害」が発生するというシナリオです。それは、さながら休火山の再噴火に直面した人たちにも似て、ただオロオロと、次々に襲ってくるDisasterに翻弄されるしかないのでしょう。ティッピングポイントにつながる現象を早期に検知し、それを回避する有効な手を打つ仕組み造りが欠かせません。温暖化のティッピングポイントは何処にあるのか、改めて考えています。それは、ひたすら注意深い自然や環境の観察によってしか見つからないとも予想しています。

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2011年3月29日 (火)

1331 宇宙旅行代理店

少し前のニュースですが、日本の宇宙飛行士が、Rシアのロケットで、宇宙ステーション(ISS)に向かうとか。スペースシャトルが退役後は、かの国のロケットが唯一の宇宙への(有人の)往復手段になります。ISS関連国は、国の威信をかけても、せっかく打ち上げたISSを「空き部屋」にしていくわけにもいかないのでしょうから、今後とも北の国の宇宙旅行代理店業は商売繁盛になることでしょう。一個人が自費で宇宙滞在を果たすには、何十億円かの費用を工面する必要があるのでしょうが、税金を使う宇宙飛行士の旅行費用には、ほとんど注目されません。ISS滞在に掛かるのは往復の旅費だけではありません。滞在用として、年に何度かは無人の宅配便で、食料や水や酸素を届けなければなりません。通信衛星(数万キロの高度)に比べれば、ISSの高度(数百キロ)はずいぶん低いので、打ち上げ費用もやや少なくて済むのでしょうが、それでも100億円に近い金額の費用が発生します。

ではISSで何を研究するかですが、何やら今度は「骨粗鬆症」の研究などをするのだとか、無重力の宇宙で人工的に骨粗鬆状態を作って、重力(1G)の地上で何の役に立つのか、医学には素人の投稿者に想像すらできませんが、何百億円も投じてすべき実験とも思えません。どの様にひねってみても「空き部屋防止作戦」としか思えないのです。

ISSもやがては徐々に高度が下がって、ついには大気圏に落ちてくることは間違いないので、その前に爆破してしまう必要が出るのでしょうが、それらの破片は結局「宇宙ゴミ」をさらに増やすことになってしまいます。何度も繰り返しますが、宇宙空間には真空と闇と無重力しかないのです。無重力さえ求めなければ、真空も闇も地上でいくらでも作り出すことができるでしょう。1Gで暮らしている我々には、無重力は基本的には無縁ですし、短時間であれば航空機などを使えば、比較的簡単に実現可能です。「宇宙に浮かぶ税金」でもあるISSにはぜひ一日も早く退役していただきましょう。そして、そんなお金がある位なら、全て震災復興に回しましょう。

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2011年3月28日 (月)

1330 季節を味わい尽くす

これも何度も書きますが、投稿者の事務所には冷暖房がありません。従業員もいないので、経営者兼従業員である投稿者自身が我慢すれば、べつに何の問題も無いわけです。確かに最初の冬は「やせ我慢」が必要でした。しかし、今ではすっかりそれにも慣れて、暑さ寒さを楽しむ余裕さえ出てきたような気がします。寒さに耐えると、良いこともあります。暖房による過度な乾燥が起きないため、風邪にかかりにくく、実際この10年以上は風邪で寝込んだ記憶がありません。

暑さに耐えれば、汗かきが上手になりますので、気温が体温以上になったとしても熱中症とも無縁です。

何より、季節の変化を体の「感触」あるいは「体感温度」として、しっかり感ずることが、生き物として生きている、或いは環境に生かされている、との実感を高めてくれます。それが、実は生き物としての喜びでもあると思うのです。つまり、今年も寒い冬を乗り切った、或いはこの夏も猛暑も、干からびることなく生き延びた、という自信と喜びの様なものが、それぞれの生き物にはあるような気がするのです。計画停電で、不便にはなりますが、生き死には決して関わりません。ならば、少なくとも生活に関わるエネルギーを、1970年代並みに今の半分程度に減らし、もっともっと季節を味わってはいかが、と提案したいのです。この国の、エンジンである産業用のエネルギーについては、生産量は減らさずに、しかし知恵と工夫だけで、先ずは25%減らすことが、新たな原発を増やさないために必要な行動です。

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2011年3月27日 (日)

1329 温泉招待支援

何度でも書きますが、モノや金の支援だけでは不十分です。2週間以上も着た切りで、風呂にも入れない被災者の悲惨な状況をもっと思いやる必要があります。ここでの提案は、被災を受けなかった自治体が、地元のバス会社と契約し、被災地に向けて観光バスを差し向ける活動です。このバスには、人数分の着替えと短い旅行中の差し入れ品などが入った段ボール箱を積み込みます。そして50人程度の被災者を、23日の温泉旅行か、観光地への旅行に招待する訳です。

社会的ムードから考えても、どうせ観光バス会社や観光地の宿泊施設は、閑古鳥が鳴いている状態でしょう。バス会社や宿泊施設のアイドル対策にもなりますし、被災者にとっては最高の気分転換になるでしょう。到着した晩には、必要な支援物質のアンケートを取り、翌日に自治体の総力を挙げてそれらの物資を地元で調達します。出発の朝には、被災者は二晩の温泉入浴と心づくしの料理で、すっかりリラックスし、栄養補給もでき、出発の時には、バスの車内やトランクに積みきれないほどの支援物資を積み込んで、さらに避難所で暮らす元気も貰って帰っていくというプログラムです。体調が悪い人は、間の日に病院に出向き、検診と2週間分の薬を受け取ります。

これが直接できない遠くの自治体は、側面援助に回れば良いでしょう。1回当たり、バス数百台も調達できれば、1万人くらいは動かせるでしょうし、ホスト自治体を順繰りに回して2週間程度で一巡するように計画し、全ての被災者を対象に、仮設住宅が出来るまでの間継続的に支援します。

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1328 循・環・境

投稿者は技術屋を卒業し(たつもり)、環境屋に脱皮したと思っているのですが、それでも後者はまだまだ「見習い」だとも感じています。何気なく使っている「環境」という言葉にさえ、よくよく眺めれば「循環」の「環」の字が入っている事に、改めて気が付きました。つまり、環境を考える上では、改めて物質の循環についても、しっかり押さえておく必要があると思うのです。

水や大気は環境そのものでもあり、循環を繰り返している代表的なものですが、もちろん私たち自身の体を構成している物質を含め、あらゆる生物は、かつてこの世に存在した生き物を構成していた物質を使って、再生(リサイクル)して生きている訳です。さらに何億年というスパンで見れば、この台地さえ「循環」している事が、今度の震災でも思い知らされました。太平洋の真ん中で湧き上がった地殻は、毎年10センチかそこら、移動しながら日本やアメリカ西海岸に押し寄せます。そこで、地下に潜り込んで、やがて相対的に冷たい「スーパープルーム」となって、地底深くに沈んでいくわけです。私たちは、その「リンゴの皮の様に薄い」地殻にしがみつきながら、生かされている存在でしかないのでしょう。この事実に想いを馳せるにつけ、環境とはまさに循環でもあるとの感慨にまたおそわれます。

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2011年3月26日 (土)

1327 環ビジ51(レールバイク)

今回の環境ビジネスのアイデア集も、50件を超えたところでどうやらネタが切れたので、今回で一段落し、溜まったらまた再開することとします。

さて、これは鉄道の廃線を利用した移動手段です。各地の、特に過疎の地域には、かつて使われていた鉄道路線が多く存在します。廃線になるとやがてレールが撤去されてしまいますが「ちょっと待った」です。バス転換を検討する前に、「レールバイク」を導入しましょう。そんなバイクは聞いたことがない?それも当然です。投稿者が最近考えたものだからです。レールは当たり前ながら2本並んでいます。そのうちの1本を上り、他方を下りに使えば、待避線は不要です。それぞれのレールに、小さなエンジンか電動モーター、望ましくは人力で動くバイクを走らせます。上下はそれぞれ当然のことながら、追い越しはできませんが、所詮距離が10㎞かそこらの通勤通学や買い物の足ですし、30分程度の我慢で済みますから、問題ないでしょう。どうしても、追い越さなければならない時は、前の人に声をかけて、前後でバイクを乗り換えます。時速は、安全上も自転車+αの30/時以下で十分でしょう。ハンドルは動くとかえって危ないので固定です。これに乗るのに免許証は不要です。自転車や老人車に乗れる程度に「健康」であれば、身体能力的には十分です。

さて、どうやって1本のレールだけに乗っても倒れないようなバイクを作るかですが、その実現は結構簡単です。つまりは、ジャイロを内蔵させるわけです。車輪が左右2個だけで、立って乗る「変な乗り物」をテレビで見たことがあると思いますが、あれと原理は同じです。つまり、どんなに倒そうと努力しても、簡単には倒すことができないバイクなのです。鉄橋部分は流石に危ないので、転落防止のフェンスかネットを追加します。このバイクを、予約制で必要な数だけ駅に配備し、レンタルします。各駅には、ボランティアの駅員が居て、ミニホイストなどを使って、バイクを出し入れします。この結果、かつての様に駅や駅前通りの賑わいも戻ることでしょう。バイクに小さな屋根(キャノピー)が掛かっていれば、雨の日も楽でしょう。

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2011年3月25日 (金)

1326 この世で起こったこと・・

押し付けるつもりは毛頭ありませんが、投稿者の長年の処世訓は「この世で起こったことはこの世で収まる」というものです。何時から、これを取り入れたかは忘れましたが、たぶん新入社員として神戸に赴任した時に、毎朝の様に寮に流れていた、地元ラジオのパーソナリティの景気づけの言葉、「山よりでっかい猪は出ん」の投稿者なりの焼き直しだったのかもしれません。

長い間サラリーマンをやっていれば、自分のしくじりや急な状況変化を読み切れなかった結果、会社へ損失を与えて、落ち込む事も多く、その内の数回は辞表を書くことも考えたのを、今は懐かしく思い返します。たぶんラッキーでもあったのでしょう、最後には全てそれらはどうにか「収まってくれた」のでした。おまけに、投稿者や会社には、貴重な教訓まで残してくれた訳です。私たちは、この大災害が「収まった」とき、一体何を教訓として受け取るのでしょうか。表面上の復興に安心することなく、身を以て震災・津波の恐ろしさを示してくれた犠牲者や、被爆のリスクを顧みず原子炉を冷やし続けた人々に報いるためにも、その教訓をしっかり噛みしめなければならないのだと思っています。

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1325 食べ物と絆

今回の震災・津波の報に接し、人間にとって最低限必要なものは何かを考えさせられました。投稿者の結論は、私たちからほとんどすべての欲求を削ぎ落した結果、最後に残るものは「食べ物」と「絆」ではないかというものです。ケモノとは違い、私たちは食べ物だけあっても、それだけでは生きていけるとは、とても思われません。ヒト同士のコミュニケーション無くしては、生きている甲斐も無いというものでしょう。

被災地の人たちも、直接支援を申し出ている国内外の声や、義援金程度でしか支援できなくても、メッセージを発信し続けているその他の人たちと「繋がっている」事に、大きな力をもらっているのだと想像しています。私たちできる事は、この絆を今後何年にも亘って保ち続ける努力を傾ける事だと、改めて決意を固めるべきでしょう。

ついでに言えば、この機会に、せっかく生まれた絆を大切にする気風を「再度」この国に根付かせれば、復興後はさらに住みよい、文化レベルの高い「絆の国」に生まれ変わるかも知れません。それは、やや少し前の農村や田舎にあった「結い」などと呼ばれる、有形・無形の助け合い精神の復活に過ぎないのですが、それが無くなっていたために、例えば毎年毎年、(今回予想される被災者数を超える)多数の自死者を出していた事にも思いを馳せる必要があると思うのです。

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2011年3月24日 (木)

1324 放射能汚染の自衛策は?

放射能汚染の報告は、野菜、牛乳から水道水まで、拡大の一途をたどっています。あれだけの「爆発」があったのですから、放射性物質が数百キロ先まで飛散しても不思議ではありません。しかし、汚染報告や報道が片手落ちなのは、汚染量や出荷停止、摂食、飲用禁止の指示だけ出して、自衛策には何ら言及していない点です。

例えば、葉物野菜で言えば、水で洗ったら(除染したら)jどれだけ線量が落ちるのか、或いは茹でて茹で汁を捨てたらどれだけ汚染度が低下するのかの情報がありません。こんな実験は、数時間もあればすぐできるはずで、それで「暫定基準」以下に下がるのであれば、パニックに陥る必要はないわけです。水道水であっても、活性炭でろ過したら、或いはROで膜ろ過したら、一体どの程度汚染度が下がるのか、或いは何日汲み置きしたら、線量がどの程度下がるのか、沸騰させたらどんな物質が減少するのか、それらを組み合わせたらどうなるのかの、具体的な自衛策情報がぜひ欲しいのです。チェルノブイリ事故のあと、ヨーロッパでは牛乳汚染はどの様に終息したのかは、酪農家の懸念に一定の安心感を与えるでしょう。

私たちは、チェルノブイリですでに高い授業料を払って、これらの自衛策についても十分学んでいるはずで、その知恵を公開すれば、今のパニックは収まると思うのです。

比較的客観的な野菜除染のデータが見つかったので、追加でアップします。

http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-01-04-06

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1323 休題(春分)

さて人間社会の営みや大災害にも関わらず、季節は進み、まさに春。数日前には夜昼の長さが同じになりました。つまりは、この日から北極点にも日の光が差し、北半球の各地域では、夜より日照時間が長くなり始めるわけです。原理的には、北極点の気温は夏至までは一本調子で上昇するのでしょうから、寒気の吹き出しは急速に弱まりますので、ようやく「暑さ寒さも彼岸まで」が実感できる季節にもなります。でも今年は寒いです。被災地には一日も早く暖かさを届けたいものです。

さて春分は「二十四節季」の一つではありますが、気が短い(あるいは季節に敏感な)人たちは、半月毎に進む二十四節季では満足できず、さらにそれを3分割して5日毎に進む、七十二候という暦も考えだしました。5日もすれば季節が一つ進むという「きめ細かさ」あるいは「せっかちさ」にも感動しますが、きっとそれを感知できる「繊細な感覚」もご先祖様たちには備わっていたのでしょう。家庭や会社で冷暖房が普通に行われ、加えて朝晩の通勤さえも空調された車や電車・バスで移動する我々の感覚器は、さぞかし「ひどく鈍って」いる事でしょう。投稿者はといえば、事務所に冷暖房を一切入れず、単車で移動しながら、季節感を存分に「体感」しています。

とは言いながら、これらは江戸時代には既に確定していた季節分けですので、温暖化が進んだ近年では、ゆうに数週間程度はずれてしまっていると思われます。ちなみに、この季節は春分の中でも、雀始巣=雀が巣を構え始める頃、だそうですが、今では3月に入るか、入らないかの時期に終わってしまっている可能性もあります。最悪の季節感は、熱帯地方での乾季と雨季の二分法ですが、温暖化が進めば日本もこれらの地域に似た気候になるかもしれません。

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2011年3月23日 (水)

1322 「暫定」基準

今回の原発事故の報道に接し、遅まきながらですが、投稿者は少なくとも二つの事実に気が付きました。今頃気が付いたという事は迂闊でもあるし、実はこれまでは報道する必要もほとんどなかったので、情報を持つ側が知らんぷりを決めていたことも疑われます。

第一は、我々の周りの環境は、既にバックグラウンドとして、それなりの「人工放射性物質」に汚染されてしまっているという事実です。確かに、チェルノブイリ事故で半端ではない量の放射性物質が、世界中にばらまかれました。ジェット気流に乗ってこの国にも飛来・降下したはずです。また、世界中に分散している原発からはちょっとしたトラブルを回避するか、操作ミスなどで闇に紛れた、少量の放射能を帯びた蒸気や気体の放出もあったかもしれません。あるいはお隣の大国では、老朽化した原子力潜水艦の無法な解体も行われたかもしれません。それらが、「暫定基準」を下回ると言いながら、既に土壌を汚染し、水や食糧も低濃度で汚染していたという事実には改めて注目する必要がありそうです。

第二は、放射能の「暫定」基準という位置づけです。原発を動かし始めて40年以上を経過する中で、何故いまだに暫定なのかを考えれば、それを確定する必要がなかったか、或いは決定する事に抵抗があった事が想像されます。即ち、この基準は、原発推勢力にとっては、非常にセンシティブなものであり、放射能の許容暫定基準は上で述べたバックグラウンド値よりは、かなり高くなっている必要があります。もし、ギリギリであれば、国内の原発で起こる「ちょっとしたミス」でも、瞬間的にこの基準を超えてしまう恐れがあるからです。即ち、彼らには十分なAllowanceが必要である訳です。一市民としては、この暫定基準を作る側と、それを守る側に、例えば天下りなどを通じての「裏の連携」が無かった事を、「淡く」ですが期待したいものです。

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1321 自家発のススメ 

東日本の企業や事業所にとって、当面続き、さらに電力需要の大きくなる夏場に向かっての、計画停電という名の「強制省エネ」は頭の痛い問題でしょう。もちろん、先々は前の首相の国際公約通り、25%の省エネを実現すれば、いくつかの古い原発を閉じても、どうにかなる筈です。しかし、問題は目先の対策です。

投稿者の提案は、電力負荷の一部分を系統から切り離して、その部分は自家発電機に直結するというものです。ありふれた製造業では、電力の2-3割はコンプレッサーで占められていますので、話は簡単です。コンプレッサー室の外に、ディーゼルエンジン駆動の発電機を仮設し、その電力でコンプレッサーを回せば、明日からでも25%の電力負荷削減が実現できます。多少騒音は出ますが、設置場所を住宅に配慮し、夜間は止めれば良いので、そんなには問題にはならないでしょう。

少し大きな企業で、プロセス加熱なども必要な企業は、迷わず中小型のガスタービンによるコジェネでしょう。これなら、電力と蒸気が同時に供給できます。出来合いのシステムでも、100kwクラスの小型から、1000kw位の大きなものまで、レンジも結構広いものが揃っています。総合的な熱効率も60%は確保できるはずですので、実質的なエネルギーコストも削減可能です。不足する電力は、これまで通り電力会社から買えば済む話なので、負荷が小さい夜間などはこれも停止できますので、投資の無駄は生じません。こちらは、元々静粛なシステムなので、騒音問題も小さい筈です。

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2011年3月22日 (火)

1320 海上仮設住宅

復興に向けて仮設住宅の建設も始まりました。全壊住宅の数を考えれば、少なくとも10万戸を超える規模になると思われます。しかし、仮設住宅建設は被災者にとって所詮2年間限定の臨時処置に過ぎませんし最終的には解体撤去されて、少なからずの解体廃材も出ます。ここでの提案は、どうせ作るのであれば、いくつかの耐久性のある海上仮設住宅を検討して貰いたいものです。これは、平らな台船の上に、数十戸の集合住宅を作りつけた、いわば海に浮かべる仮設住宅なのです。ただし、これは2年間だけの役割で終わらせるものではありません。恒久的な、災害避難船として数十年使い続ける役割も担わせます。この国の大都市は、海岸に集中していますから、地震だけの被害にせよ、津波の被害も同時に受けるにせよ、救援の手は海からの方が差し伸べ易い筈です。この台船を、いざ鎌倉の事態には、タグボートで曳航して災害地に一番近い港に駆けつける訳です。

震災が無い時期には、風光明媚で静かな入り江にでも係留しておいて、宿泊施設や青少年の研修施設などとして活用すれば、投資の無駄も出ないでしょう。何より、かつてこの国の基幹産業であった、鉄構や造船産業にも新たな雇用が生まれるでしょうし、さらにこの浮かぶ集合住宅に、水や燃料を備蓄しておけば、24時間もあれば日本中どこの被災地の岸壁にも、住宅、食料、燃料、水の短期的な支援物資の備蓄基地としても重要な役割を果たせるでしょう。

具体的には、この台船上には多段ベッドを備えた小部屋と、食堂や集会場や入浴施設を備えた公共スペースを設置します。小部屋には、家族単位で寝泊まりしますが、多段ベッドとはいえ、乾いた暖かい寝床が供給できますし、被災地に近くに係留してあれば、行方不明者を抱える家族の避難場所としても理想的です。

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1319 放射線代謝?

電磁波であるガンマー線は、線源からの瞬間的・継続的な被曝線量が問題ですが、放射能を持つ物質が体内に入った場合の被爆は、大きく二つの場合に分けて考える必要がありそうです。即ち、放射性CaSr(ストロンチウム)、I(ヨウ素)などは、人体は通常のCaやヨウ素と判別できないため、骨や甲状腺に取り込まれて、それらが崩壊して安定的な元素になるまで、放射線を出し続けます。考慮しなければならないのは、この場合はそれぞれの放射性物質の半減期です。半減期の短い場合は、被曝量は限定的ですが、そうでない場合蓄積線量は非常に大きくなることが懸念されるからです。もう一つのケースは、食物や呼吸によって取り込まれた放射性物質が、代謝に従って汗や尿や便となって、速やかに排出されるものです。これは、体内に留まる時間が限定的なので、それほど神経質になる必要はないでしょう。

問題は、マスコミなどで報道される「ごちゃ混ぜ線量」の数値です。これが、暫定基準を超えたとか、何倍だから出荷禁止だとかは、ヒステリックな行動だというしかありません。まずは、動物には可哀そうですが、早急な動物実験による放射性物質の仕分けが必要でしょう。例えば牛乳で、放射性ヨウ素が問題なのであれば、それが半減期の長いものなのか、極端に半減期が短いヨウ素131なのか、厳密に分析する必要があります。

原発付近の放射線量は、日ごとに減少していますが、これは一時は多量に放出された放射性物質の中のヨウ素131など半減期の短いものが、着実に崩壊して弱まっている客観的な証拠です。合理的考え方に基づかない、「不必要に安全サイド」の政府ステートメントは、「官制風評被害」につながりかねません。

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1318 休題(温故知新)

論語の中の言葉でしょうが、なかなかに味わいのある言葉です。人間の知恵などというものは、いくら時代が進んだからと言っても、それに応じて高度になる訳ではありません。というより、逆に先人が苦労して、発明・工夫した結果生み出されたモノどもに囲まれて、安穏に暮らしている私たち子孫の知恵の程度は、日々低下しているとさえ言えるかもしれません。何故なら、知恵はモノがない時などに、手元にあるものでの代替を工夫するときに最大限に使われると思うからです。今私たちが、日常何気なく口にしている食物でさえ、たぶん空腹だったとはいえ、それを最初に口にしたご先祖様の勇気には敬服するばかりです。フグの内臓に毒があることや毒キノコと食用キノコの区別などは、命を賭した人体実験なくしては、絶対に判明しなかったでしょう。同様に、彼らは身近に手に入る材料や燃料で、厳しい時代を乗り越えてもきました。

ところで、そんな昔にまで遡らなくても、先人の知恵は発掘可能です。それは、今も図書館などに保管されている書物や新聞などでも多く発見することができるでしょう。近くは、1970年代に突然巻き起こった「オイルショック」は投稿者の記憶にも鮮明です。何しろそれまで1リットル当たり50円で入れていたガソリンが、あっという間に100円になってしまった訳です。夜遅くなると町の広告塔やネオン看板が全部消され、テレビも夜12時には放送を止めました。バイク少年であった投稿者も、バイト代や奨学金が入るまで、なかなかバイクに乗れなくなった記憶があります。

しかし、石油の高騰は悪い事ばかり引き起こしたわけでありませんでした。国を挙げて「省エネ行動」にいそしんだからです。国も、多額の予算をサンシャイン計画やムーンライト計画につぎ込み、企業も省エネ行動や省エネ製品の開発に必死に取り組んだのでした。この頃に考え出された省エネ製品や工夫は、たとえ特許が出されていたとしてもとっくに期限切れになってしますから、著作権フリーで使い放題でしょう。手元に、そのころの省エネアイデアを集めた古い本が数冊ありますが、いま読み返してもなかなかのものが見つかります。アイデアは、先人の工夫から少し頂戴するに限ります。そこに、その後に少しばかり進んだ技術や仕掛けを加えるだけで、この国の製造業も結構息を吹き返せると思うのです。

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2011年3月21日 (月)

1317 まずはお風呂と鍋

被災者に対して、それなりの数のホストファミリーの申し出でもある一方、住宅が完全に破壊された人たちにとっては、まだまだ長い避難所での集団生活が続きます。そろそろ、被害の無かった地域への集団疎開も行われていますが、いずれにしても体育館などでの寝起きが強いられます。容易にできる支援として、避難所周辺の家庭は、モノやお金の支援とは別に、少なくとも入浴への招待を申し出る程度の思いやりは必要でしょう。彼らにとって、体中の筋肉が弛緩する入浴こそ最大のプレゼントになるでしょう。

ついでに、鍋物の夕食にでも誘えば、お金もかからず、最も喜ばれる支援になる事でしょう。ホスト家族から、被災者の恐怖や苦労話を聞いてあげれば、被災者の心も開き、ホスト家族の子供たちにも、これ以上ない教育となる筈です。

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1316 放射線コントロール技術

放射線や放射性物質との戦いにおいて、この分野の技術のレベルアップは欠かせません。これまでは、原子炉や格納容器の中に閉じ込められていた「彼ら」が、今や低濃度とはいえ野に放たれた訳です。ならば、それらに対抗するための技術開発が急がれる訳です。これらの技術にはいくつかの要素が考えられますが、まずは遺伝子レベルでの影響が特に懸念されるガンマー線への対応です。これは、広くX線による医療検査やガンマー線(波長の短い電磁波)による非破壊検査で使われていますので、その技術の横展開でどうにかなりそうですが、問題はバリアの軽量化や可搬性です。重たい鉛のエプロンをぶら下げて運転をしたり作業したりはできにくいからです。薄くて軽くても、それなりにブロック効果が高い素材を探す必要があります。

アルファ線は粒子ですし、ベータ線は電子ですので、比較的ブロックは容易です。前者は物理的なバリアで十分ですし、後者は電圧を印加したグリッドで補足できます。中性子線は、基本的には水で補足できますので、水そのものや水を多く抱えるコンクリートなどで十分ですが、これも軽量化や可搬性を考えた、例えばバリア樹脂などの開発が急がれます。

最大の問題は、実は水や食物や呼吸からの吸収により体内被曝だと思っています。放射能を帯びたカルシウムやストロンチウムは、骨格などに吸収されて長く放射線を出し続けますし、放射性ヨウ素は甲状腺に留まって免疫機能などを壊し続けるからです。何より、これらを「体に入れない技術」や「体から排出させる技術」の開発が急務です。この国では、既に広島や長崎の悲劇からたくさんのデータや知識を得ているはずですし、この機会を前向きにとらえて、世界に冠たる「放射性物質コントロール大国」になる決意が必要です。

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2011年3月20日 (日)

1315 屋内待機の無意味

数日間ならいざ知らず、それ以上の屋内待機は全く無意味な指令です。20-30㎞地域には、いずれの意味でも物資供給は期待できません。運送会社が、ドライバーの安全を優先して配送を拒否するからです。もちろん、ガソリンの供給も絶たれるので、住民は車での移動すら不可能です。危険区域の設定は、避難地域と、通常の活動許可地域に2分すべきでしょう。30㎞圏内は明らかに避難地域と設定すべきです。

今そこに住んでいる人たちに、放射線に関しての知識は殆ど無いと言っても良いでしょうし、例え話でレントゲン撮影やCTスキャン何回分と言われても、誰もピンと来ていないはずです。長期に亘って屋内待機を指示するのであれば、配送トラックのキャビンには鉛版と鉛ガラスで放射線遮蔽を施して安全を確保し、ドライバーと住民には簡易防護服を支給しなければならないのだと思います。

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1314 放射能との戦い

いよいよ、放射能との四つに組んだ戦いを決意しなければならない様相です。改めて、調べてみると、ウラン燃焼(核反応)から生まれる半端ではない数の放射性物質の多様な事に驚かされます。(下記で資料が入手できます)

http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html

元技術屋としては、このシステムを作り、その断末魔に向き合っている運転関係者の必死の努力とそれを見守っているハードの設計者や製作者の、「システム構成を、ああしておけば良かったと」いった後悔や苦悩を痛いほど想像してしまいます。一方環境屋としては、地上で最悪・最強でしかも長期間持続する「環境汚染」を強く懸念します。我々世代は、この国を捨てるわけにもいかないので、それを甘んじて受けるしかありませんが、次世代には被爆の悪影響を持ち込まないための知恵を結集する必要があります。まずは、修復が不可能となった原子炉の、一日も早い安全な「コンクリート詰め」までの道筋を決める必要があるでしょう。また、水や食料や大気からの多重な体内被曝とその遺伝子的影響を避けるためにも、次世代を担う子供たちには「学童疎開」も真剣に考える必要があるのかもしれません。

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1313 緊急「手段」

12941296にも書いたように、やはり最後に残った切り札は、エンジンで直接駆動される、ローテクの消防ポンプでした。ECCSは、あくまでも短時間だけ対応する緊急装置に過ぎず、長期間に亘る異常事態には、緊急装置ではなく「緊急手段」が必要であるという事が明確になったと言えます。すべての緊急装置が動ない場合でも、何らかの緊急手段が確保されていなければ、このように「危険な種類の発電所」は動かすべきではないと言うしかありません。

今回の教訓で言えば、例えば建屋の天井には、水素放出口や放水ノズルの設置が必須で、同時に建屋から離れた場所に、消防車からの接続口も設けておき、最悪の場合でもホースをつないでバルブを開けて水さえ送れば、少なくとも消防隊員は安全に建屋内への放水が持続できなければなりません。炉心や、燃料プールの冷却についても、建屋の外部に冷却水の接続口さえ設けておけば、すべてのシステムや電源がブラックアウトした場合でも、遅くも30分以内には、消防車と海水を使って取り敢えず冷やし始める事はできる訳です。

現在動いている原発であっても、定期点検のついでに、冷却配管に枝を付けてバルブを追加すれば済むので、安い費用で本当の意味の「二重安全」が確保できる事になります。

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1312 環ビジ50(マルチモードボイラ)

通常のボイラは、10/㎠(古い人間なので古い単位です、最近は約1MPa或いは980Pa程度と言うべきでしょうか)程度の圧力、180℃前後の「飽和状態」で蒸気を供給します。ボイラ単体としての熱効率は、最近のものでは意外に高く、燃料の持つ発熱量の90%程度は、蒸気の持つエネルギーに変換されます。さて、その用途ですが、プロセス加熱や乾燥、暖房等、いずれにしてもその内部エネルギー(エンタルピ)を使っている訳です。しかしながら、食品の加熱で言えば100℃前後もあれば十分でしょうし、乾燥なら6-70℃もあれば用は足りるはずです。結果として、プロセス全体としての効率は、蒸気の減圧ロスや熱交換器の効率の悪さに足を引っ張られて、結構低いのです。

ここで提案するボイラは、炉内の燃焼ガスの温度分布範囲に対応して、高温(3-400℃の過熱蒸気)、中温(180℃程度の飽和蒸気)、100℃前後の低温蒸気、5-60℃の温水等、目的に応じいくつかのレベルの熱源を同時に作るものです。それらの熱源間の比は、バルブなどの調整により容易に変更できるものとします。また、加熱に使った上記のドレン(凝縮水)はまだかなりの高温ですので、これもしっかり回収して、ボイラに送る水を予熱するなどの目的に活用します。

この結果、複数の用途に応じた最適温度の熱源が、一つのボイラで供給できることにより、最適の熱効率が達成可能となります。仕掛けがやや複雑にはなりますが、いくつかの弁とパイプを追加するだけなので、コスト上昇は限定的範囲に収まるでしょう。

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2011年3月19日 (土)

1311 備蓄燃料としての薪

今回の様な大震災では、避難所が広く分散し、暖房・煮炊き用の燃料(今は石油かガスを意味しますが)が入手できないために、被災初期は一層不自由な生活に陥っています。電気が無い状況では、僅かとはいえマイコンやファンが電気で動く石油ファンヒータさえピクリとも動かず、何の役にも立ちません。ここで力を発揮するのは、やはり原始的な方法です。災害時に備えた理想的な備蓄燃料は、間違いなく薪やペレット燃料などの木質バイオマスといえるでしょう。これであれば、乾燥した倉庫スペースさえ確保できれば何年でも安全に備蓄できます。燃やすときは、ドラム缶や最悪の場合は、石を寄せ集めたかまどを作ってキャンプ場と同様に暖房や煮炊きをします。

火が起こせれば、暖かい飲み物、食べ物が口にでき、身も心も暖まり被災者の人心も安定します。それば寒い季節であれば、適当な大きさの石を温めて布でくるめば石タンポになります。湯をペットボトルに詰めても同じ目的に使えるでしょう。これは冷めれば飲み水になりますので無駄がありません。災害に備えるためには、田舎の地域ほど日頃から石油に頼る割合を減らし、少しずつでも良いので継続的に薪を作り、消費する仕組みを途絶えさせないようにしておくべきでしょう。

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1310 数字の出せる節電

「暖房を控えましょう」、「不要な電灯は消しましょう」、・・・などの行動だけでは、計画停電は解消できません。何をどの程度どうしたら、何kwの節電ができるのか、数字で裏付けなくてはならないのです。100kwの電力を確実に節減するには、ありふれた40w*2灯式の天井灯(消費電力は安定器も含め100w相当)を1000万個は間引く必要があります。途方もない数字の様にも見えますが、例えばすべての事務所や量販店で、10灯に1灯を間引(蛍光管を外す)くだけで、この何倍も節電できると想像しています。

実際、今指導している某自治体で、書棚やコピー機、通路など、事務スペースほど照度の必要のないエリアを、照度計で明るさを確認しながら間引いてもらったところ、上記の数字が叩き出せたのです。この役所の例では、電力の30%を占める照明電力の10%、即ち3%減の数字が、1円も使わないで実現できたことになります。金額に直しても60万円程度はカットできた訳で、これをややお金の掛かる省エネ対策に振り向ければ、省エネのサイクルが回り出します。

同じく、エアコンの吹き出し口温度を1℃下げたら、一体何%の省エネになるのかは、実際に数日間試験をして、電力量か灯油の消費量削減の数字を算出します。たぶん、1℃で数%~10%弱程度の省エネが、これもお金を使わずに叩き出せます。エアコンで、次に打つ手は稼働時間の短縮です。コンクリートの建物は、かなり蓄熱しているので、よほど寒冷地でもない限り、5℃以下まで下がらなかった夜の翌朝は、室内温度は例えば15℃程度は保っているはずです。ならば、朝1~2時間程度暖房を入れれば、午後3時頃までは完全に暖房を切っても、問題なく過ごせるでしょう。日中5時間切っただけでも、暖房負荷は5/10、即ち50%削減できることになります。これらの数字を、各家庭でも企業でも積み上げれば、25%の省エネは間違いなく実現できます。今これをやれば、2020年目標であるマイナス25を先取りしてしまうわけで、さらにマイナス50に向けても邁進できるパワーが生まれるでしょう。当然の事ながら、計画停電も回避できます。

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2011年3月18日 (金)

1308 2~30世代も遡れば皆親戚

狭い国の事ですから、230世代も遡れば、国民は皆親戚のはずです。ならば、モノやお金を送って支援をしたような気になってはいけないでしょう。被災地の親戚は、ぜひ疎開していただき、暖かく迎えてあげなくてはなりません。まずは、各自治体で、ホストファミリーを募りましょう。受け入れ単位は、バスの定員程度(50名)程度とし、自治体の規模によって何単位かを明確にします。送り出し側の自治体でも、現地に踏みとどまるべき人員を残し、地区ごとに送り出しグループを組織します。国は、この両者を速やかにマッチングし、受け入れ自治体に通報します。受け入れ側では地元のバス会社に発注し、被災者の受け入れ輸送を行います。1台貸し切っても20万円程度で済むでしょうし、そうでなくてもバス会社もきっとボランティアを申し入れるでしょう。

受け入れ側では、まず被災者を風呂に入れ、きれいに洗濯した古着で良いので、着替えてもらいましょう。もちろん、何か月も滞在してもらうのは、いくら「親戚」でも双方に負担でしょうから、取り敢えず1か月単位でも良いでしょう。そして、送り届ける際には、当面必要な物資をたっぷり付けて帰ってもらえば、無駄な物資の輸送も不要です。過去の震災では、当初こそモノ不足ですが、しばらくすると種類が重なった物資で、置き場所にも困るほどになる筈です。

受け入れ自治体のホストファミリー以外の家庭は、持ち帰ってもらうモノや義援金を集めて協力することになります。これはまさに戦時中にも匹敵する国難です。先の大戦では、多くの田舎では見も知らぬ都会の人を暖かく受け入れたではありませんか。今こそ、モノカネではない、Face to Faceの支援が必要です。これにより、「遠くの親戚」が数十万組誕生し、この国ももっとずっと暖かい国に生まれ変わります。

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1307 脱電

電力が地震に弱く水にも弱いことは、今回の震災でも証明されました。電柱は倒れ、電線が切れ、水につかったモーターは銅と鉄の塊でしかなくなります。そうであれば、災害に強いエネルギー源も少しは考えておかなければならないでしょう。非常事態において最後の最後は人力しかないのですが、その前にあるのはやはり内燃機関でしょうか。電力の大きな使い道は照明と動力ですが、特に動力(モーター)に関しては一考の余地がありそうです。

確かに、スイッチを入れれば数秒で起動できるモーター動力は優れもので、発明者に感謝すべき文明の利器ですが、例えば夏場にピークを迎える冷房負荷について言えば、原動機で直接冷房用のコンプレッサーを回す仕掛けがもっと普及してもよさそうです。つまり、燃料の持つエネルギーを一度電力に変換した上で、さらにモーターで動力に変えるロスを、直結する事によりなくしてしまう作戦です。ガスを使った冷暖房機であるGHP(ガスヒートポンプ)はそれなりに街で見かける様にはなりましたが、まだまだ不足です。T電が、果たしてどの様にして今年の夏を乗り切るのか、現状では全く悲観的にならざるを得ません。とにかく、少しでも電力に対する過信と依存割合を下げて、よりプリミティブながら打たれ強いエネルギー源にシフトすべきでしょう。

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1306 自家発電

発電施設の理想はどう考えても自家発電です。各家々や各ビル・工場で自前の発電設備を持つわけです。それではあまりに非効率ではないかとの突っ込みも入りそうですが、電力と熱を同時に取り出すのであれば、効率は一気に高まります。大規模発電所の熱効率は40%を超えるレベルにありますが、送電ロス(10%以上)を考えれば30%以下です。これなら、ガソリンエンジン、またはガスエンジンで発電機を回してもそれほど効率に遜色は無いでしょう。本格的なコジェネでは、総合熱効率は60%程度確保できるはずです。エンジンからは、冷却による排熱も出ますので、これで風呂を沸かし、暖房もします。工場であれば、電力とプロセスで使う熱を取り出します。自家発は、何も一日中回しておく必要はありません。家庭で電力や熱がたくさん要るのは朝晩くらいで、工場では日中だけです。残りの時間の保安電源は、電力会社から買えば済むので、夜は静かに眠ることができるわけです。自家発を増やせば、この国の電力のセキュリティも飛躍的に増加するはずです。

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1305 分散発電=発電船

計画停電を含む不安定な需給は、今後長期化する様相です。新しい発電所の建設には、立地場所の選定や埋め立て工事も含め何年もかかります。しかも、今回の震災・津波災害で、大規模発電所への一極集中の危険性も明らかになりました。1発100万kw以上の出力を持つ原発がたった一つつぶれても、既にある電力会社間の融通システムの容量を超えます。

必要な事は、大規模な原発や火力発電所の追加建設ではなく、多数の中小規模発電所の建設による発電設備の分散しかないと思うのです。では何処に建設するかですが、忘れてはならないのは、造船大国でもあるこの国の実力です。まずは、既にある建設用の作業台船の一部を改造して、重量が小さいタービン発電機を乗っけた、ミニ発電所を多数作りましょう。これなら数か月で多数完成できるでしょう。これを、海辺に集中している都市の岸壁に横付けし、狭い地域にはなりますが、電力供給を始める訳です。1000kwクラスを100個も作れば、10kwになり、その中に大型のものも混ぜて、数百万kwまで増やします。発電船は、狭い国土を拡張するものですから、新たな埋め立て工事も不要です。また、自分で動く動力も不要です。タグボートが曳いて移動できるからです。これを多数作っておくと、災害時にもそれを被災地に曳航していくだけで、1日か2日程度で電力復旧できる仕組みが実現できます。津波は心配ですが、今回の津波でも大型船がひっくり返ったニュースが出てこないので、そんなに心配は要らないでしょう。

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2011年3月17日 (木)

1304 計画停電ではなく計画シフト

戦時中でもないのに計画停電とは情けない限りです。可能な限り省エネしても、供給不足が生じるのなら、全員で知恵を絞って、計画的に社会生活や企業活動をシフトすべきでしょう。地域によってのシフトは、問題も多いので、同じ地域でのまだらなシフトを計画します。そうすれば、朝夕のラッシュや交通渋滞も無くなり、せわしさが少し緩和されます。朝5時からシフトをスタートし、4シフト制で3-4時間ずらしながらシフトを組めば、最終シフトも12時前には終わるでしょう。最大でも3つのシフトしか重ならない様にすれば、ピーク電力レベルは25%カットできます。

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1303 お金の自己保身

人の利便のために発明され、使われてきたマネーが、今生き物の様に自己保身を図る存在に進化してきました。今朝の超円高のニュースはなんという事態でしょう。復興資金の調達のために、海外資産を売って円を買うだろうとの見込の元に、(手元にある海外通貨を目減りさせないために)今後高くなるだろう円を買う動きなのでしょう。逆に、本当に円資金が必要で買う人にとって、手に入る円資金は大きく目減ります。マネーという怪物は、復興にブレーキを掛け、人間社会を危険に晒してまでも、自分自身が目減りする事に抗う存在となったという事です。しかし、すでに、電子マネーの総量は、実体経済を何倍(あるいは桁違いに)も超えているでしょうから、もしこれが目減りしても、マネーの所有者以外は誰も困らないでしょう。機関投資家や、海外の金持ちは当然マネー所有者ですが、日本の場合はコツコツと老後のために貯めてきた高齢者が、所有者の大きな部分を占めます。つまり、現在は、マネーの実質的な所有者の意思とは全く別の存在が「運用」している、というねじれが生じていると思うのです。

機関投資家やファンドは、資金の所有者が、利息分だけでも地震・津波復興などのボランティア目的に使う自由を保証すべきでしょう。そうでなければ、高齢のマネー所有者は貯めたお金は増やさない、何らかの形の「安全なタンス預金」を選択すべきでしょう。

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2011年3月16日 (水)

1302 買いだめと日本売り

買いだめに走る人、株を売りに走る人、一見違う行動の様に見えますが、本質は同じです。それは「自己中心行動」であるという点においてです。当面の食料や生活物資は足りているのに、いざという時のために「取り敢えず買っておこう」、取り敢えず株券を売って現金にする必要が無いのに、先の値下がりを予測して「取り敢えず売っておこう」という、自己チュウ行動に他なりません。被災地には食糧やモノを届けたいので、備蓄食品での質素な食事を考えなければならないし、トイレットペーパーは短めに切る必要があります。電力会社や被災企業には、何とか踏ん張ってもらわなければならないので、それを支援するためには、株を買い支える行動こそが必要なはずなのです。近視眼的な自分だけの損得勘定での売り買いは、非常事態にこそ厳に慎むべきでしょう。それとも、この国には「慎み」という言葉が失われたのでしょうか。

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1301 計画停電ではなく強制省エネ

冷静に考えてみれば、この狭い国の電力システムには、糸魚川構造線を挟んで50Hz地域と60Hz地域存在し、西で節電しても、東には100万kw程度しか融通できないのでした。これは、MGと呼ばれる、周波数変換設備の容量による制限値となっています。

そので東電や東北電で計画停電が行われています。しかし、この非常時の対策としては非常に稚拙な方法というしかありません。1/4の電力が不足するなら、強制的にでも(しかしできれば自発的に)25%の省エネを実行すれば済む話ではありませんか。方法は簡単です。まずは、1/4の電灯を間引きます。冷暖房は25%の時間(日中の数時間)は切っておき、設備も工夫して稼働時間をずらしてピーク電力を下げます。家庭でも、洗濯器を回す回数も4回を3回にし、電気掃除機を使わずにホウキとモップで済まします。テレビを消して、押し入れに眠っているラジオかラジカセを引っ張り出してニュースを聞けば、電力不足はほぼ回避できるはずです。コンビニでも、アースクリームなどは売り切って(あるいはタダで配って)、冷凍ケースをいくつか止め、暖房も切って、明かり過ぎる照明も窓際は全部間引きます。街での街灯を4個に1個は電球を外します。地域を区切って、時間ごとに上記の25%省エネを実行させれば、停電などという情けない事態は回避できるはずです。

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1300 モノを送らず人を受け入れる

災害時にいつも感じるのは「不便な避難所生活」というワンパターンの報道の虚しさです。仮設住宅ができるまでに、支援する側に回った私たちがまずすべきことは、被災者の現地からの速やかな移動とボランティア家庭での受け入れしかないと思うのです。45万人避難しているのであれば、45万世帯で一人ずつ受け入れれば、1-2週間で避難者はすべて居なくなるでしょう。家族がバラバラになっても、すぐ近くの家庭に分散しているのであれば、全く問題ありません。数か月の辛抱ですし、子供の学校に通えます。仮設のトイレや、仮設の風呂ではない、普通の風呂に入れます。その受けいれ地域で、まず被災者を保護し、次に生活再建に必要な物資を持たせて、仮設住宅ができた故郷に送り届ければ良いのです。非常時の初期はモノ、金の支援ではなく、まず困っている人を受け入れる行動しかないでしょう。例えば、受け入れは、便利だけれど人のつながりが切れた都会の集合住宅の空き部屋ではなく、お年寄りしか残っていなくて、広い家を持つ山間地の世帯が最適です。何より、人が人を迎えてくれます。そんな場所なら、この国では少なくとも数百万戸はあるでしょう。

原発城下町では、避難が長期化、固定化する懸念がますます強くなっている現在、避難所は一日も早く、解消すべきでしょう。

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1299 廃炉への躊躇

投稿者なりの推定ですが、今回の原子炉事故では、決断のポイントが少しずつ遅れた結果、最悪の事態に突入しつつあるような気がします。具体的には海水注入のタイミングです。彼らは、まず通常の手段で(真水で)何とか冷却しようと努力しました。海水を入れてしまうと、最終的には原子炉は使えなくなり、大きな損失が出るからです。しかし、真水は長時間入れることができない状態が続き、空焚き→過熱→水素発生→爆発による機器損傷、という悪循環に陥ってしまったように見えます。

最初に行うべきは、最悪の事態を回避するための廃炉への決断だったと思うのです。その決断さえできれば、まず放射性物質を含むとはいえ、蒸気放出で圧力容器の圧力さえ下げれば、臨時的な手段でも海水注入ができたと思うのです。事故の初期段階には、間違いなく経済優先の躊躇があったと想像しています。シンドロームの回避のために、廃炉のストーリーを誰がこの事故の中で冷静に提案できたかあるいは実際に提案したかは不明ですが、騒動が一段落した後には、今回の決断の遅れをしっかりと振り返っておく必要があります。

さて、最終的には溶けかけた燃料を含む原子炉は、安全にコンクリート詰めにする必要があります。技術者は、原子炉に関係する否かは別にして、如何に短期に、しかも安全に放射性物質を閉じ込めるかに、知恵を結集する必要があります。それができなければ、地震列島であるこの国で、原発を維持する事は諦めざるを得なくなると思っています。

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1298 環ビジ48(空気圧センサー)

この非常事態に、ささやかな話題です。街中で車の後ろを走っていて、いつも気になることがあります。それは、タイヤの空気圧が低いままで走っている車が結構多い事です。空気圧が低い車は、後ろから見るとタイヤの設置部分が膨らんで見えますのですぐ分かります。投稿者も、タイヤにピンが突き刺さったのを知らずに、1週間くらい走り、給油の際に急に燃費が悪くなったので点検した結果、空気圧の低下を見つけてヒヤッとした経験があります。幸い少し空気が抜けた程度の状態でしたが、燃費は確実に10%以上悪化しました。これが自転車であれば、当然漕ぐ力が余分に要りますのですぐ気が付きますが、バイクでは少しフワフワする感覚があるくらいで、気が付きにくいものです。ましてや、車には車輪が4つもあり、立派なサスペンションもついていますので、よほど注意していないと気が付きません。

そこで、必要なものは空気圧センサーです。アメリカでは、すでに義務化の動きもあり、高級車にはボチボチ採用され始めています。しかし、今のところ1システムが10万円ほどしますので、大衆車への採用までには、長い年月か、あるいは「無視できないくらいの、タイヤバーストによる事故件数」になるまで待たなくてはならないでしょう。投稿者が目撃した範囲内でも、車検の無いアメリカでは、信じられないくらい大量のタイヤ屑が、フリーウェイの路肩に溜まっています。最初は路肩にゴミが多いのを不思議に思っていた程度でしたが、しばらくして、それぞれがバーストしたタイヤの破片だと気が付きました。

ここで提案する空気圧センサーは、路面からのタイヤの衝撃力(G)を検出するもので、空気圧が低下すると、それまでコツコツと伝わっていたタイヤへの衝撃力が、フワフワになり、状態が変化します。この変化を感知する、1軸のGセンサー(かアコースティックセンサー)とアンプという構成ですので、たぶん1万円も掛からない電化製品に仕上げることができそうです。1万円以下で、安全と燃費の維持が確保できるなら、安いものだと言えるでしょう。高級車が買えるユーザーでもない限り、少しの安全性の向上と燃費改善のために、追加で10万円を払おうとは考えないと想像されるからです。

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2011年3月14日 (月)

1297 両刃の剣

刻々と拡大する甚大な災害の報に接し、何かを書かなくてはいられなくなって、本日4度目の投稿です。午前中は、ハイテクは鋭いが脆いと書きましたが、ほぼ「全てのハイテクは両刃の剣でもある」と訂正します。投稿者が、技術屋を辞め、環境屋に転身するきっかけの一つも、ハイテク産業と呼ばれる航空機を使ったあのB国での事件でした。WTCビルが、投稿者もささやかながら関わって作られたありふれた旅客機を使って、人間爆弾と化して突入する映像を繰り返し見るにつけ、便利で快適であるはずの乗り物でさえ、使い方によっては強力な殺戮兵器に変わり得る事実を突き付けられたのでした。それ以来、もう便利さも行き着くところまで来たのだから、そろそろ元来た道を引き返して、貧しくても平和な時代に少しでも戻ろう、というほどの考えに取りつかれてしまったのでした。

本日の昼前にテレビで流された映像も、全く同様で、便利で役に立つ電力を作り出すための「平和の道具が」、きっかけはほんの小さな発電機トラブルの結果、どんどん事態が悪化し最早ブレーキが利かなくなり、強烈な爆発力で頑丈な建屋を吹き飛ばすほど物騒な、灼熱の容器と化した原子炉の「咆哮の瞬間」を映し出したのでした。制御されたエネルギーは確かに有用なものではありますが、そのトリガーが外れ短時間でのエネルギーの放出は、その規模が大きくなるほど、私たちに向かってくる刃の危険度も増します。冷却する術を失った原子炉が、最終的にチェルノブイリ事故のレベルまで行くのか、その前段階でブレーキがかかるのか、固唾を飲んで見守るしかありません。

さらに言えば、投稿者の環境屋としての出発点や危機感は、石炭を使った産業革命から始まり、20世紀後半に石油文明として花開いた近代文明そのものが、実はもっと大きな意味での「両刃の剣」か、あるいは「パンドラの箱」だったのかもしれないという強い憂いから発しているのです。

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1296 災害に強いローテク

本日3度目の投稿です。ローテクは災害時ほど実力を発揮します。電気を使ったシステムがダウンしても、エンジンで直接駆動するポンプや、最後は重力や人力を利用して緊急事態を回避する方法など、原理が単純なものほどトラブルには強い筈です。大きな動力が必要なものも諦める必要はありません。50人も力を合わせれば、数トンのものであっても動かせるはずです。

通信手段にしても同じです。電気が無ければ電話やITは無力です。携帯電話も、基地局がダウンすれば全く使い物になりません。今回の様な本当の災害時に緊急時に使えるのは、狼煙や伝書鳩や人が走るか自転車を使った伝令程度しかないのかも知れません。

交通手段にもそれは言えるでしょう。電気が無ければ電車は動きませんし、冠水した車も最早動かせません。動力船でさえ浮遊物が多数浮いている海域では動きが取れません。被災の初期には支援物資の輸送には、ヘリ程度しか手段がないのですが、それも人命救助が優先されますのでほとんど物資輸送には当てにはできません。今回の場合も、港は浮遊物で埋まっていますから、とりあえずは被災地から少し離れた港ではない場所で、手漕ぎボートなどを使って少しずつ陸揚げし、最後は人が担いで避難場所に届けるしかないのでしょう。

結局、ハイテク=最先端技術は最新「鋭」ではあっても「先が細くて脆い」のです。ローテクとは、本質的に技術のレベルは低いのですが、裾が広くてどっしりと地に足がついているものであって、使う側もその原理を直感的に理解しているため、トラブル時の対処や修理も容易なものなのです。ローテクこそしっかり維持すべきです。

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1295 今こそ省エネ・プチ断食

今般の大震災の報に接して、直接的な被害を受けなかった人たちに求められる行動は明白です。複数の原発の長期休止や廃炉が余儀なくされる状況に至っていることを考えれば、何は無くても節電です。今こそ、何が必要不可欠な電力(エネルギー)で、何が不要不急や贅沢なエネルギーであるのか、しっかりと見極めて仕分けしてみる必要があります。食器乾燥機や衣類の乾燥機、薄着しながらの暖房、明る過ぎる照明や家族がバラバラに個室でテレビ視聴するなど、家庭生活での無駄エネルギーはまだまだ多過ぎます。投稿者が仕事としている、企業の省エネ指導でも、まだまだ事務所ビルや工場での「無効なエネルギー」の垂れ流しが目に余ります。量販店に至っては、まぶしい程の照明をしながら、安っぽい商品を並べています。何は無くてもしっかり節電して、できた余剰を関東・東北方面に融通しましょう。それが長期に固定化すれば、来たるべき時代のポスト京都議定書や省エネ法であれ温対法や環境税ですらドンと来いでしょう。25%の省エネの国際公約も楽に実現できるはずです。

もう一つは、災害義援金の捻出のアイデアです。ここで提案するのは、週1回の程度のプチ断食です。その晩は、夕食は「無し」で早寝します。この日は、胃や内臓をいたわり、一晩ゆっくり休める日とします(休肝日ならぬ「休胃日」と呼びましょう)。これは、合理的な健康法でもあり、特にメタボを気にしている人には不可欠の行動でしょう。浮いた夕食代を貯金しておいてぜひ義援金として寄付しましょう。これで毎月少なくとも4-5千円は浮くはずですので、健康に感謝しながら被災者の応援ができるでしょう。投稿者も、もちろんプチ断食貯金を開始しました。

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1294 たった2台の自家発で…

たった2台の非常用発電機が動かなくなっただけで、炉心(燃料棒)溶融が起きました。複数のディーゼルエンジンが設置されていたとはいえ、燃料タンクが共通になっているか、或いは起動用の圧縮空気タンクが共通になっている場合、地震時などシステムの物理的な破損を伴う非常事態では、同時に起動できなくなる可能性は十分考えられます。建屋ごとに非常用発電機を設置していたのなら、なぜ建屋間の渡り電線を設置していなかったのも理解ができません。他のラインやポンプなどは、二重三重の構えになっているはずですが、緊急炉心冷却(ECCS)ポンプ起動に必須の非常用発電機は、完全に盲点になっていたとしか思われません。もちろん、手順書に従って、定期的な発電機の点検や起動試験は行われていた事でしょう。しかし、事実として今回は2台とも起動しなかった訳です。そのため、隣の建屋に別の発電機がありながら、わざわざ遠くから電源車を走らせなければならなかったのでしょう。その間、燃料棒を冷却するための水注入が全く行えなかったので、結果的に手遅れになりました。もちろん、福島でも、たぶん他の発電所でも、法律で決められた2台の非常用発電機を、建屋ごとに設置して、設計基準はクリアしていたはずです。

しかし、設備が2台あるというだけでは、実は非常事態の構えが二重になっているとは言えません。何故なら、例えば津波で冠水した場合、電気系統は全く役に立たなくなるため、何台バックアップポンプがあっても事実上意味を持たないからです。本当の二重化のためには、バックアップポンプのうちの1台は、エンジンで直接駆動される様な、電力に頼らないものである必要があります。さらに安全を三重化にするためには、注水ポンプが動かなくなった事態でもなんとか注水ができる必要があります。例えば、建屋の高い位置に水タンクを設置し、最悪の場合は手動でバルブを操作して重力で注水できるなどの対策が考えられます。

原子力とは、制御棒や冷却システムのトラブルで、制御(中性子の減速や炉内の冷却)が行えなくなった場合は、必ず熱核反応が暴走するという意味で、本質的にFail Safeではない、不安定なシステムだと認識し直す必要があります。その上で、新たなFailure Caseの想定と、その安全対策が必要であることが今回の災害ではっきりしてきました。

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2011年3月12日 (土)

1293 環ビジ47(水冷屋根)

かなり以前にも同じようなテーマで書いたような気もしますが、内容も含めて投稿者本人も思い出せないので、重なってもまあ良いでしょう。投稿者が借りている事務所の窓からも、多くの家々の屋根が見えます。昔ながらの古い地域なので圧倒的に瓦屋根が多いです。瓦は、基本的には素焼きのセラミックス、(建築費をケチった家ではコンクリート)なので、吸収した太陽ルギーを赤外線の形で効率よく放射する素材だと言えます。しかし、問題はその色で、多くは黒に近い灰色をしています。伝統的な工法では、瓦の下には藁や土が入れられていて、断熱性と湿度調整に一定の役割を果たしていました。しかし、新しい瓦屋根の下は、合板の上に防水シートがあるだけで、その下はすぐ屋根裏です。熱を蓄えた瓦から、屋根を抜けてきた熱により、夏季には屋根裏が50-60℃にも上昇します。また冬季の室内からの放熱も大きくなっています。仕方がないので現代の家づくりでは、安易ですが天井裏に50-100㎜程度のグラスウールを入れてある程度は防いでいます。しかし、グラスウールは確かに安いのですが、断熱効果もソコソコしか期待できません。

さて、身近な材料で比熱が最大のものは実は水です。したがって、家屋への熱の出入りで大きな部分を占める屋根に、何らかの形で水を組み入れる事には大きな意味があると思うのです。具体的には、瓦自体に水の通路を設けて水冷する方法や、瓦表面の溝に接する様なウォータージャケットをいくつか並べる方法などが考えられます。家屋において水漏れは大敵はなので、後者の方が現実的かもしれません。この屋根で、夏場の屋根裏温度を大幅(20℃ほど)下げる事ができるのと同時に、太陽の恵みである温水も同時に得る事も出来ます。投稿者も自宅の屋根に小さな太陽熱温水器を上げていますが、太陽熱だけで沸かした風呂に入ると、環境人間としてはやはり最高に和みます。

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2011年3月10日 (木)

1292 環ビジ46(デシカント冷房)

デシカントとは、シリカゲルの様な除湿剤を指します。それが、どうして冷房に使えるかですが、デシカントが空気中の水分を分子中に取り込む際には、実は温度が少し上昇します。したがって、除湿した空気をそのまま室内に導入した場合、乾燥したやや暖かい空気が送られる事になります。仕方がないので、(顕)熱交換器で温度だけは、室内と同じに下げる事にします。しかし、これでも乾燥した「生暖かい」風が送られますので、あまり快適ではありません。そこで、水分を細かい霧にして、この空気に混ぜてやれば、温度が下がりやっと涼しい風を作ることが可能になります。温度が上昇し水分を抱えたデシカントは太陽熱などで加熱し、湿度を取り去って(再生して)やれば、繰り返し使える事になります。デシカントは、通常円盤型に成形されたハニカムなどに担持され、ゆっくり回転しながら上記のサイクルを繰り返します。

通常のエアコンでは、冷やされた空気の温度が下がりすぎる傾向にあり、もう一度加熱が必要だったりするので、エネルギー効率はずいぶん低くなるのですが、デシカント冷房では、除湿と顕熱交換を分けて行う結果、元々効率が高い上に、再生に太陽熱が使えますので、ごくわずかなエネルギーだけで快適な空調が実現できるというわけです。

最近の朗報は、M菱樹脂で50℃前後の低い温度で再生可能なデシカントが開発されたというニュースです。これまでのデシカントの代表であったシリカゲルやゼオライトは、その再生に100℃をかなり超える温度が必要だったのです。50℃であれば、簡単な太陽熱コレクター(例えば内部を黒く塗った、ガラス戸のある箱)程度で得ることが可能ですので、画期的に安価な空調機が実現できるでしょう。ちなみに、通常の吸収剤を使った、いわゆる吸収式冷暖房機で冷房が効率よくできるのは、吸収剤が水分を吸収する際に強い真空が発生しますので、これを温度を下げるための断熱膨張際の差圧として利用する仕組みとなっていますので、上記の原理とは異なります。

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2011年3月 8日 (火)

1291 環ビジ45(熱流カメラ)

最近、団地の裏山に登ることにハマッています。電波塔がある400m程度の山ですが、これが登ってみると頂上には絶景が広がっているのです。南には濃尾平野の全景、北には関市の全景と薬師から乗鞍までの北アルプス、御嶽から中央アルプスまで、西には養老山系や伊吹、能郷白山まで、これまでに登った山々が、全部見渡せるのです。もちろん、この絶景に遭遇するのはよく晴れた日の朝である必要があります。昼ごろになると、気温が上がり空気中の湿度が上がりますので、見通しはぐっと悪くなるからです。

さて、今回の話題です。熱画像カメラ(サーモグラフィー)は、新型インフルエンザが流行した昨年、空港などに設置されたり、テレビの科学番組などで時々使われたりして注目され始めました。これは、物体から放射される赤外線の波長やレベルを感知し、温度を色の変化として表示できる優れものです。投稿者も安かったので画素数は少ないものですが、1台所有していて重宝に使っています。

しかしながら、このカメラは温度を持つ物体から発せられる、温度に固有の波長の赤外線を検知して色として表示するものですから、ある瞬間の温度分布が表示・記録できるだけです。エネルギーとは、電磁波=赤外線の流れる度合いや量を示す指標ですから、本当のところは赤外線の流れを見ることができるカメラが欲しいわけです。熱流計は、ある断面を流れる赤外線の流れレベルを微弱電圧に変換する素子ですが、これを撮像面に多数並べた素子を作れば、原理的には、ここで提案する「熱流カメラ」ができるはずなのです。

ではなぜ熱流カメラが必要なのかですが、例えば放熱性が良い材料の表面は、温度としては周囲温度との差が小さいのですが、実際には内部から多量のエネルギーが漏れ出ている場合もあり得るからです。このカメラを使えば、例えば壁や窓や天井や床から、単位面積当たり何ワットの熱流が流入(流出)しているかが、画像としてとらえることができますので、建物や設備からの熱損失量を可視化できることになります。カメラメーカーや、電子機器を作っているメーカーには、緊急に開発してもらいたいアイテムの一つです。これが省エネルギービジネスに貢献する度合いは非常に大きなものになるでしょう。

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2011年3月 6日 (日)

1290 環ビジ44(ユニット化設計)

ユニット化設計が環境負荷を下げるという話です。ユニット化設計のお手本は、デスクトップのパソコンでしょう。電源ユニット、マザーボード、CPU、メモリー、HD、各種のサブボードは、さながら組立オモチャの様に組み立てられ、それぞれがコネクターでつながれているのが、現在のパソコンです。長期間の使用で主に消耗するのは、メカニカルに数千rpmで回転しているHDくらいでしょうから時々これを交換して中身をコピーしてやり、CPUの速度さえ我慢すれば、PCは結構長く使える耐久消費財でもあります。

さて、例えば現在の車は、プレスされた板金をスポット溶接した車体に、エンジンとパワートレインを乗せ、車輪とステアリングや懸架装置(ばねやショックアブソーバ等です)、燃料系統を取り付けて、後はマイコンで制御される電子制御装置と各種の装置を、複雑なワイヤーハーネスで結んだ代物ですので、専門職でもない限り、修理はそれほど簡単ではありません。

しかし、電気自動車=EVであれば話は別です。基本的にEVは、一種の「電化製品」ですから、パソコンと同じテクニックが使えはずです。つまり、予めモーターを組み込んだ車輪、バッテリーと制御装置さえあれば、後はそれを車体に乗せて、座席とハンドルを付ければそれなりに車になる訳です。車の馬力は、モーター出力だけで決まりますので、話は簡単です。航続距離は使用目的によって、バッテリーの容量で決めれば良いので、たぶん数人の従業員しか確保できない小企業でも、それなりに「自動車メーカー」として名乗りを上げられるでしょう。しかもユニット化設計ですから、馬力を上げたり下げたり、修理や改造の自由度も飛躍的に向上するはずです。摩耗するコンポーネントさえ交換すれば、車体が腐らない限り、何年でも乗り続けられ乗り物ができるはずです。ユニット化設計の考え方は、資源の有効活用の観点からも、無駄を省きコストを低く抑えるためにも、強力に推進されなければならない大きな課題だと言えます。

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2011年3月 4日 (金)

1289 環ビジ43(メカニカルハイブリッド)

機械的エネルギーを一時保存する道具として、フライホィールがほとんど使われていないことは、「元機械屋」としても「環境屋」としても非常に残念な状況だと思っています。電気を一時的に蓄えておくのが蓄電池なら、運動エネルギーを一時蓄えておく「蓄力器」がフライホィールだと定義できます。フライホィールは、望ましくは真空中で、数十万rpm程度の高速で、円盤状の錘をぶん回す仕掛けです。数時間以上蓄えて置くにはかなり大きなサイズになってしまうのでしょうが、数分や十数分度であれば、非常にコンパクトなサイズでも十分効果が期待できます。例えば、信号待ちで止まった車を、再発進させる際や、下り坂で蓄えたエネルギーを上りに「再利用」する目的などに有効に使えます。

回転するホィールを真空中に閉じ込めて、動力を軸で伝える構造にすると、メカニカルなシール構造が必要ですので、ここでは「磁気カップリング」を用いて動力を伝えるようにして、完全に密封された容器とする構造を提案しておきます。軸受は、転がり軸受では「持たない」ので、空気ベアリングなどとする必要があるでしょう。

車では、ブレーキを掛ける際にフライホィールに蓄力し、蓄えたエネルギーを発進・加速の際に車輪に伝える「メカニカルハイブリッド=MHV」構造とします。発進・加速時に約3割のエネルギーを消費するのが車ですから、エンジンを燃焼効率高いポイントで、連続して運転できる仕掛けは、燃費向上に非常に有効です。重いバッテリーを必要とする今のHVに比べ、大幅に軽量化しながら、しかもHVと同程度の低燃費を達成できるはずです。より大きなフライホィールを搭載すれば、ガソリン1ℓで100㎞程度走ることができる夢の車も十分実現可能です。この車では、エンジンは理想の燃焼条件で、ほとんど一定の回転数で回っており、車を動かす動力は専ら大きな主出力のフライホィールが担うことになります。フライホィールの回転が下がってきたら、エンジンからの動力によって、再度加速するという仕組みです。なお、超高速で回転する「コマ」は、材料に金属を使うと、自重による遠心力で破壊する恐れがありますので、CFRPなどの複合材を採用する必要はあります。

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2011年3月 2日 (水)

1288 環ビジ42(和紙の巻き返し)

投稿者は以前から、和紙の持つ高い機能に注目しています。和紙は、コウゾやミツマタなどの樹皮に含まれる、長くて強い繊維を漉いて作られますので、丈夫で破れにくく、しかも柔らかく優しい風合いも兼ね備えています。しかし、和紙の機能はそれだけではなさそうです。例えば、障子紙です。薄くてかなりの光も通すこの紙には、それなりの断熱性能もありそうなのです。最高の断熱材は「真空」ですが、現実的に次善のものは空気になります。空気を使った断熱材には、安価なグラスウールなどもありますが、その中に含まれる空気(分子)は、運動の自由度が大きくて結構熱を伝えてしまうわけです。そのために、有効な断熱性能を得るためには、温暖な地域でも100㎜程度、北国などでは200-300㎜もの厚みが必要となるのです。空気の断熱性能を高めるのは、比較的単純です。空気を小さな部屋に閉じ込めて、気体分子の自由運動(ブラウン運動)を抑制するのです。独立気泡を持つ発泡コンクリートや発泡ウレタンが、高い断熱性能を持つ所以です。

さて和紙です。和紙は、工業製品の紙とは異なり、顔料(タルク等)を入れておらず、ローラーで強く圧縮されてもいませんので、厚みの中に空気を抱え込んでいます。それも、繊維間のごく狭い空間に閉じ込められているので、空気分子の「ブラウン運動の自由度」は抑制されます。したがって、薄い割にはそれなりの断熱性能も兼ね備えているはずです。住宅の「内障子」が、冬季の寒さ対策にそれなりに有効なのは、日常経験できるその証左でしょう。つまり、細かく見ると、障子の外面はかなり温度が下がっているのに対し、室内面側は室温程度に温められており、室内に居る人の体からガラス窓を通って奪われる熱(赤外線放射)を遮っていると思われます。

事務所スペースでも、和紙をロールスクリーンなどに仕立てて吊り下げれば、夏冬とも大きな冷暖房効果の改善が期待できます。和紙により多くの空気を抱え込ませるためには2枚重ねて使い、一方では火事対策としては「防炎剤」をスプレーしておく必要もありますね。

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