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2011年5月10日 (火)

1372 環ビジ70(江戸的ビジネス)

類稀な、循環型社会であった江戸時代の事は、このブログでも何度か触れました。ここでは、この時代から投稿者が、環境ビジネスのほぼ全ての原型があったと考えている、いくつかの江戸的ビジネスを発掘することとしましょう。

江戸的ビジネスの、本質は実は循環であったことは、間違いありません。ほぼ全ての物質が、人手を介しての循環が保たれていたために、廃棄物の蓄積が起こらず、百万都市であった江戸の清潔さも維持されていたのでした。そのあたりの事情は、石川英輔の、「大江戸~事情」シリーズに詳しいのですが、とりわけ投稿者が注目するのは「リン・サイクル」です。リンは、植物成長においても3大要素ですし、人間の体の中でも、骨格に取り込まれたり、基本的代謝であるATPサイクルなど使われたりして重要な位置を占めています。そのリンが、今不足し始めています。リンは、これまで海鳥のフンが堆積したなれの果てである「グアノ」リン鉱山から採掘されてきましたが、近年この資源が枯渇し始めているのです。リンは主に、リン酸肥料などとして化学肥料に加工され、農地に大量に施肥されます。現在の、反収が江戸時代などより大幅に増えた背景としては、リンを含む化学肥料に負うところが大きいのです。江戸時代には、人間が摂取し代謝したリンは、し尿として有価で取引され、田畑に戻されていました。川や海に流れ込んだ、リンも魚介類や海藻に取り込まれて、食料になったり干鰯(ほしか)として加工されたりして、これも最後は田畑に貫流していました。

現代にこのサイクルを持ち込もうと考えるなら、どうしても下水処理場に着目する必要があるでしょう。現在は、下水処理場から排出される大量の汚泥ケーキは、無為に燃やされたり、精々その灰をコンクリートの材料に混ぜたりするくらいのささやかなリサイクルしか行われていません。今必要な事は、リン・サイクルの復活なのです。例えば、リンを大量に代謝・固定する微生物も多く存在するでしょうから、これらの微生物を使って下水を処理し、効率よくリンを回収するプラントも考えられるでしょう。いずれにして、あらゆるリサイクル業のルーツは、江戸時代以前に既に存在していたことは、銘記すべきでしょう。

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