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2011年5月16日 (月)

1378 技術者の敗北

H岡原発の停止は、いわば技術者が自然の脅威に敗北したことを意味します。そんな極端な言い方をしなくても、と突っ込みが来そうですが、それは認めなくてはならないでしょう。技術者が設計時にした「想定」は、今回の震災・津波の前では無力であったことが証明されてしまったのですから、仕方がありません。投稿者に、元技術屋として全く悔しさが感じられないのは、たぶんですが、ほぼ技術屋からの卒業が出来た結果かもしれません。

技術が完ぺきではない事は、繰り返し書いても来ましたが、かつてH岡原発を見学した際に見た、4号機のタービンで折れて飛んだタービン羽根を見たときにもそれを強く感じました。蒸気タービンの羽根が飛んだ事故は、舶用のものでは実は若いころ何度か見たことがありました。しかし、考えてみれば「絶対安全」を謳っていた原発でも、同じような事故が起こる事は、何も不思議な事ではないのでした。製造技術に完ぺきはあり得ないでしょうし、オペレーション側にもヒューマンエラーは付き物だからです。

今度のH岡5号機の停止間際には、おまけがつきました。どうやら復水器の冷却管に穴が開いていたようなのです。ほとんど純水の冷却水があまり強い放射能を帯びる事は無いのでしょうが、海水が冷却水に混じったという事は、冷却水も海水側(海)に漏れ出した事も意味します。つまり、復水器は、冷却管という絶った数ミリの金属管を境に原子炉と海水がつながっている、危うい場所でもあった訳です。この管は、常に海水からの腐食環境に晒されている訳で、古くなった原発では、ありがちな普通のトラブルでもあります。原発技術者は素直に敗北を認め、拙速な運転再開を画策するのではなく、先ずは謙虚になって原発技術の仕切り直しをじっくり考えるべき時期でしょう。

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