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2011年5月25日 (水)

1387 環ビジ74(木材複合材)

航空機で軽量化のために多用されている複合材(CFRP)は、通常上下2枚のカーボン繊維で編まれたスキン材で、軽量なハニカム(蜂の巣状のフィラー)を挟んで、接着剤で固めたものが用いられます。この材料で、部材の曲げ荷重は上下のスキンで受け持ち、一方上下のスキン間に発生するせんだん力(シェア)は、横変形に強いハニカムが受け持つ、という「材料の役割分担」で、軽量化と同時に高い強度が実現されている材料だと言えます。何しろアルミ箔やノーメックスという薄い材料で作られているハニカムの中身は殆どが空気ですので、軽い訳です。ハニカムの替わりに、発泡させたプラスチック材料を使う場合も結構多くなっています。

さて木材複合材です。木材は、セルロースとい非常に強度の高い繊維と、リグニン等の接着剤に当たるものから出来ている、天然の複合材だと言えます。しかも、水の通り道である維管束は、換装させると空気が入っている管になるため、比重は0.5弱程度で、金属に比べれば非常に軽い材料だと言えます。しかし、天然材である木材はいくつかの欠点も抱えています。一つは、腐朽するという事です。ほとんどの場合には菌類(キノコ類)によって普及されるのですが、広い意味では、シロアリなどにより虫害も含まれます。腐朽でボロボロになった木材には、強度は残っていません。もう一つは、曲げ強度が低いという事が挙げられます。木材を曲げるとまずしなり、次いで表面にひびが生じてバキバキと折れてしまいます。もし、この表面に引っ張り強度の高い、繊維のスキンがあれば、圧縮には強い木材の強度は飛躍的に向上するはずです。つまり、木材を補強するには、表面にスキンを貼ってやれば良い事になります。このスキンは、やはり天然繊維を使いたいものです。純粋なセルロースなどが考えられます。接着剤としては、ニカワや漆などに類した、動物性か植物性の天然物を使いたいものです。木材自身に含まれる、天然の接着剤であるリグニンなども候補に挙げたいところです。

ところで、このビジネスの最大の問題は、こんなに夢があり、有用な技術だと思われる素材も、当面は儲からないという理由だけで、誰も真面目に研究してくれないという点だけなのです。

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