« 1466 戻す努力 | トップページ | 1468 50年後の社会デザイン »

2011年8月18日 (木)

1467 戻す努力2

インフラを取り壊して元に戻す場合、単に壊せば済む話ではありません。如何に元に近い姿に戻すかをしっかり意識する必要があります。ドイツの例ですが、ルール地方を流れ、かつては石炭船が行き交っていた中小河川であるエムシャー河は、ほとんどコンクリートの護岸で固められていました。流れは淀んで、工場からの処理不十分な放水もあり、ほとんどドブ川に状態でしたが、ドイツ政府は素直に反省し、護岸を剥がして土手に戻す工事に着手しました。もちろん、そのころは石炭の産出量は殆ど無くなり、石炭重化学工業も終息状態でしたので、石炭の廃坑に川のヘドロやコンクリートの瓦礫を埋め立て、両岸を土手に戻したのでした。この結果、魚や水鳥も戻り、2002年に訪問した当時は、すっかり田舎を静かに流れる川といった風情になっていました。

この事業に、ドイツ政府がどれほどの税金を注ぎ込んだかを想像するにつけ、振り返ってこの国のインフラ戻しを考える時、その道のりは非常に遠いとため息が出るばかりです。山を削り、谷を埋め立てて造った、ほとんど車の通らない高規格林道を見るにつけ、砂防ダムを作って下流の護岸をコンクリートで固めた日本の川を見るにつけ、自然に近い状態でこれらのインフラを元に戻すのは絶望的なほどの努力を要すると思われます。

しかし、一方では何も完全に諦める必要もないとも思うのです。つまり、方向性を定めた上で、今後インフラに手を加えるついでに、少し後戻りをさせれば良いわけです。例えば、道路を補修する必要が出た場合は、交通量を再評価して道幅を削る「減幅」工事をすれば良いでしょう。ついでに動物の通るトンネルも道の下に作ってやるべきです。

|

« 1466 戻す努力 | トップページ | 1468 50年後の社会デザイン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 1467 戻す努力2:

« 1466 戻す努力 | トップページ | 1468 50年後の社会デザイン »