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2011年10月31日 (月)

1530 超貿易社会

超円高が怖いのは、何しろこの国が「超貿易国家」だからです。国内のほとんどの企業が、直接ではないにしても輸出を行っている企業に関連して事業を営んでいるでしょうし、一般市民においてもほぼ100%の人が毎日輸入された製品を手にし、輸入食品を口にしている訳です。この超貿易社会を、TPPによってさらに加速しようなどと考えるのは、もはや何をかいわんや状態だとも言えそうです。それは、関税を撤廃して経済等の交流の規模をさらに拡大し、互いの国々が相互依存度を高めましょう、という条約だからです。

戦後、一貫して安い輸送コストに依りかかる状態で拡大してきた、工業化社会と超貿易主義に警鐘を鳴らし続けているのが、このブログの趣旨なのですから、自動的にTPPにも反対するしかありません。いずれにしても、このまま手をこまねいて事態を放置すると、円高がピークを打つのは対ドル50円前後ではないかと警鐘を鳴らす学者もいるくらいです。

そうではなくて私たちは、もっと足元を見つめてみる必要があると思うのです。足元には土があり、そこに太陽光が当たっています。急峻な山々は、世界でも稀にみる樹林帯に覆われており、それが蓄える豊かな水が、狭い平野を潤しています。周りは、これも世界でも稀なほど豊かな海に囲まれており、海産物や海水に含まれる微量元素だって資源として手に入ります。先ずは、地域で継続的に手に入る資源を利用して、可能な限り食糧やエネルギーや産業の原料を手に入れ、安定的な産業を固めるのが先決でしょう。そのベースの上に、ある程度の貿易経済を載せれば、国としてより安定するはずなのです。貿易は、今回の超円高の様に、他の地域の社会や経済状態によって、大きくブレる不安定な仕組みの一つであることは、素人が考えても明白です。1ドル50円は極端な話だとしても、成り行きに任せるのではなく、日本として明確な意志を持った未来予想図を描いておき、折に触れて諸外国にも提示してみせる必要はあるでしょう。

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