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2011年11月26日 (土)

1556 排出権価格

CO2の排出権取引価格が最低線を彷徨っています。排出権制度に熱心であったEU諸国が、とりわけDイツが、足元に迫った経済の「火の車」を遠ざけるのに精いっぱいで、「環境」なんぞに目を向ける暇が無くなっている事がその原因なのでしょう。もちろん排出権価格が低迷している状況では、その吸収や削減に努力を傾けて、排出権を売ろうとするインセンティブも薄れますので、この制度は大きく後退すると思われます。

先進国が頑張ってCO2を減らしましょうと言うCOP10も、2012年以降のポストCOP10も結局それを先導してきた先進国が経済的に息切れすると、推進力も無くなるのでしょうか。それならそれで、経済が大きく減速するにつれて、経済活動レベルも低下してきて、CO2の排出量も自動的に低下するのかもしれませんが、その際のポイントは、経済減速の度合いと、CO2排出量の低下が、必ずしも比例関係にならないことです。つまり、人は一度手に入れた快適さを容易には手放さないと言う事実があります。それは、アメニティ中毒と呼んでも良い性癖かもしれません。具体的に言えば、折角ローンを組んで買ったお気に入りの車を、給料が下がったと言う理由だけで、簡単には手放さないでしょうし、冷暖房完備のビルに入居しているテナントが、売り上げが多少減っただけで暑さ寒さに耐えながら仕事をするとは思えないのです。もちろん、給料や売り上げが半分に落ち込んだ場合は、そうも言っていられないでしょうから、慌てて省エネに走ると想像できます。

結局、経済の減速が始まっても、工場の操業に比例する部分のエネルギー(CO2排出)量はそれなりに減るのでしょうが、社会全体で見ればその現象にはかなりの時間遅れがあると思われます。私たちは、排出権取引に替わる別の制度も工夫しなくてはならない時期に入ったのかもしれません。

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