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2011年11月27日 (日)

1557 信用不安の連鎖

欧州では信用不安(収縮)の連鎖が止まりません。本来この手の信用収縮は一国の範囲内に収まるものなのでしょうが、経済統合という名の通貨の統一で、経済的に国境の垣根が非常に低くなってしまった欧州諸国では、もはや国境に堤防の役割はあまり期待できなくなったのでしょう。それを敏感に感じ取っている投資家は、危ない国に嫌気を感じて、「少しでも安全な国」へお金を動かします。かなり安全とみられていたDイツでさえ、不安な国に足を引っ張られているとみられて、割を食っています。この不安は一体どこまで広がるのでしょうか。素人が考えても、専門家が考えても多分結論は同じでしょうが、先に書いた「底なし沼」の底に、どうやら足が届いたと感じるまで、不安感や不信感は払拭できないと考えるべきでしょう。

ところで、今の状況を誰が招いたかを考えてみると、結局それは今不安を抱えている先進国自身だと言う事が分かります。例えば、先進国は特に戦後、一貫して石油の消費量を拡大してきました。私たちは、地下から石油を組み上げてそれを使ってしまいましたが、結局その代価は消えることなくオイルマネーとして地上に積み上がった訳です。そのオイルマネーを運用する「市場」は、石油を汲み上げた量に比例して拡大してきたのでした。今や、石油の消費が作り出した二酸化炭素も、オイルマネーも地上に満ち溢れ、その処置について人類は途方に暮れていると見るしかありません。

地上へのマネーの積み上げは、何も石油や天然ガスに限った事ではありません。鉄鋼やアルミやレアアースや、あらゆる採掘型の資源についても同じ事が言えるのです。ギリシャ神話で言う「パンドラの箱」とは、何のことはなく全ての再生不可能な地下資源の事だったのか、と最近合点がいった次第です。この泥沼の不安の連鎖は、結局私たちが際限なく地下から資源やエネルギーを掘り出し、それを消費し続ける限り終わる事はないのだ、と改めて知るべき時だとは思います。

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