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2012年3月22日 (木)

1669 理想の暖房

厳寒のカザフから帰ってきて、理想の暖房とは何か、と改めて考えてみました。カザフの建物は、高い建物を除けばほぼ全てがレンガ造りです。レンガは構造材でもあると同時に、多孔質の断熱材でもあり、部屋の内側に断熱材を追加すれば、それなりに断熱性の高い建物となっているはずです。しかし、屋根の断熱性はあまり良くない様で、暖房熱で屋根の雪が融けて、どの家も長いツララをぶら下げています。窓はほぼ例外なく木製サッシですが、もちろん100%二重窓になっています。(外部のサッシは鉄やアルミ製となっている事もありますが、熱ブリッジ=結露を防ぐため内部は木製です。)

暖房は、ほぼ100%が熱水による地域暖房です。街外れに、大きな煙突の熱水工場があり、地下に熱水管が張り巡らされている様です。道路の横断部は、地下ではなく配管ブリッジになっているところもあります。部屋の中には、鋳物製や鉄管を曲げて作ったラジエータが設置されておりますが、ホテルなどではやや高級なアルミ製のものが付けられています。ラジエータの表面温度は意外に低く、50℃を少し超える程度ですが、この温度が非常に心地よいのです。それは、体温に近い物質から出る遠赤外線が、人間にとって最も心地よい事がその理由です。例えば、子供を背負った時の体温が、理想の暖房温度である事は日常経験するところです。ニクロム線のジュール熱で暖房を行う電気ストーブや、石油やガスの燃焼ガスで暖房を行う器具が、決して快適な暖房手段でない事は、これも日常経験するところです。

つまり、体に非常に近い物体の表面温度が体温並みに、あるいは人間を取り囲む部屋の壁や天井や床などが、20℃~25℃程度に暖められている部屋とする事が、最も心地よい暖房環境だと言えそうです。事実、カザフで滞在したホテルの部屋は、窓際のラジエータだけで夜中でも20℃を下回る事はありませんでしたし、今回訪問した工場も建屋全体が20℃前後に保たれていました。これが、必要かつ十分で、しかも人間にとって最も快適な暖房方法だと再確認しました。つまり、理想の暖房とは温風で室温を上げるのではなく、建物の断熱性を可能な限り向上させて、空気を暖めるのではなく、「寒い場所を作らない」事がその本質だと言えます。

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