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2012年12月 5日 (水)

1918 Aネハマンション?

書き足りないので続けます。土木のど素人でも、コンクリートが専ら圧縮力を受け持つ材料である事くらいは常識です。だからこそ、建物の重さを受け持つ基礎や、橋の橋脚、あるいは強大な地圧を受けるトンネルの構造材に使われる訳です。一方で、この材料は引っ張り応力やせん断力を受け持つのは苦手である事も知っています。コンクリートは(原子同士が金属結合でつながっている)金属とは異なり、粒状の骨材を脆弱なモルタルで繋いでいるだけなので、圧縮応力以外の力では容易に破断するからです。電柱の様に曲げ応力を受ける場合には、それを補強するために、内部にびっしりと鉄筋を入れる必要があります。

今回のトンネル事故の場合、どうやらコンクリートに穴を穿って、接着剤だけで固定したボルトがすっぽ抜けたのが原因の様ですので、「明らかに間違った工法」であったと素人にも断言できます。この構造の場合ボルトの把握力は、コンクリートのせん断耐力だけに依存したものだからです。この構造である限り、接着剤の経年劣化や水分の侵入による把握力の低下、あるいは振動による緩みなどが起こった場合、破壊(ボルトの抜け落ち)は瞬時に始まり、それは直ちに崩落事故につながりことになります。従って、ボルトが徐々に抜け落ちるなどと勝手に想定した「雑な点検作業」には殆ど意味がありません。昨日まで何も異常が見つからなくても、今日突然すっぽ抜けて崩落するからです。今回の事故を起こしたトンネルも数か月前には(多少ずさんではあっても)点検を受けていた訳です。

今回事故を起こしたのと同構造のトンネルは、全てが設計に問題がある欠陥トンネルだと言うしかありません。繰り返しますが、慌てて「点検」をしても何の保証にもなりません。今後、車を通すとしたら、結局は全ての天井板を外してしまう他ないでしょう。少なくとも投稿者は、今後同構造のトンネルは通りません。天井に、この構造で付けられたボルトにぶら下がった1トンのコンクリートの下に座って見ろと言われても、まっぴらご免だからです。天井板を外して換気が問題になるのなら、ブルーシート?の様な軽い素材で出来た、仮の布ダクトにでもするしかありません。これは、間違いなくあの強度不足で解体されたAネハマンションと同じ種類の欠陥構造問題なのです。その意味では、家宅捜索すべきは、道路管理会社ではなく設計・施工企業でしょうね。

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