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2012年12月 7日 (金)

1920 インフラ老齢化時代

この件の締めくくりとして前向きな提案です。大分前になりますが、中部の主要国道の橋桁が腐食で破断した時も、今回のS子トンネル事故と同様の危惧を持ちました。つまり、何故破断に至るまで放置されていたのか、事前の腐食検査はできなかったのか、と言う疑問です。このケースでは、破断した鋼材の部位は舗装面の下に隠れていて、目視では検査が出来なかったのです。今回問題となった、アンカーボルトも同様に、目視検査では何も見つからないでしょう。

材料の検査には破壊検査と非破壊検査があります。前者は、実体からサンプル(コンクリートであればコンクリートコア)を採取し、実際にその劣化を調べたり、破壊検査する事になります。問題は、それが出来る場合と出来ない場合がある事です。実体を、一部といえども壊す必要があるからです。一方で、後者は前者に比べてやや信頼性が落ちるにせよ、実体を破壊しないので、現実的でしかも、技術の進歩によってかなり自動化も出来る様になりました。その中でも有効な方法に超音波を使った検査があります。近年は、妊婦さんのお腹の中の赤ん坊でもかなり明瞭に観察する事が出来ます。

しかし、たとえば何万本ものボルトの健全性やコンクリート内での把握力を人手で検査するのは現実的ではありません。国道の橋桁破断事故の時に発想したのは、非破壊検査ロボットでした。このロボットは、有線で電力と水の供給を受けながら働きます。電力は、例えば移動のためモーターを動かしたり、壁や部材に張りついて進むための真空を発生させたりします。水は、検査対象にノズルから「水の橋」を掛けて、それに超音波を乗せる「信号搬送媒体」として使います。この水の橋を渡って超音波を対象にぶつけ、その反射波を受け取る訳です。ボルトの検査では、反射波はボルトの表面と、もし内部に亀裂の兆候があれば、かなり細かいものでも反射の中のノイズとして検出できるでしょう。使うものは、電力と水だけなので、トンネル内のダクトスペースを移動できるように作れば、人は外に居てその検査信号だけを受け取る事が出来る筈です。これなら、下の交通を止める事なしに随時の検査が可能となるでしょう。しかも、この検査ロボットはコンクリート剥離の検査にも使えますので、応用範囲も非常に広いのです。毎年開かれる大学や高専の、何やら楽しげなロボコンも結構ですが、テレビ映りの良いエンターテイメントに走るばかりではなく、そろそろ実用ロボにも目を向けて貰いたいものです。「インフラ老齢化時代」には必須です。

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