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2012年12月13日 (木)

1926 ソフトエネルギーパス

この夏に、国家戦略会議で示されたE野経産大臣名の「グリーン成長を支える 重要プロジェクトについて」と言う題の資料を眺めていて深いため息をつきました。グリーンエネルギーやグリーン成長と称しながら、あまりにも「ハード」なのです。この対極のイメージとして、かつて読んだ「ソフトエネルギーパス」と言うタイトルの、かなり厚い本を思い出しました。

E野資料が「ハード」だと言う所以は、その中で説明されている内容の殆どは、やれ大容量の蓄電池だとか、スマートグリッドだとか、再エネによる発電であるとか、兎に角大きな設備投資を伴う電力の事しか言及していないシロモノなのです。電力=2次エネルギーは、1次エネルギーを加工した、使い易いがコストの高いエネルギーです。電力を起こすためには、1次エネルギー(熱)と、環境の低熱源を利用したエネルギー⇒力に変換し、発電機を回す事によって為されます。しかし、熱力学の法則が教える通り、カルノーサイクルが持つ効率の壁を超える事はできません。動力は、低熱源に熱を捨て続ける事によってしか得られないからです。通常の商用電源の場合、発電所で捨てるエネルギーが約60%弱、送電ロスを差っ引けばロスがさらに増え、最終的には正味30%程度しか需要家には届かない訳です。

本来の意味のソフトエネルギーパスとは、絶対に必要なエネルギーを化石エネルギーに頼らない形で発生させ、必要なタイミングで使う、と言う「努力と工夫が要る」アプローチなのです。例えば、暖房熱が必要なのに、便利だと言う理由だけで先ず電力を起こし、エアコンを回す行為は、いくら省エネ型のエアコンを用い、スマートグリッドを通じて電力を受けようが、あまりにも環境に対してはハードな方法なのです。電力のごく一部に再エネを持ち込んだとしても、結局は原発や火力発電所に頼る事には変わりがないからです。ソフトなエネルギーの本質とは、放って置けば自然に流れ去って、消えてしまうエネルギー(つまりはそれは太陽光や地熱なのですが)を知恵と工夫で捕捉し、しっかり利用していく事に他なりません。

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