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2012年12月21日 (金)

1934 スマート社会の前に

スマートシステムとかMEMSとかHEMSとかの横文字がメディアに踊っています。しかし、その前に考えるべき事が山ほどあります。例えばこの国の、断熱性能に乏しいビルや住宅で、いくらエネルギーを賢く使いましょうと、スマートシステムを導入しても、ピーク電力をやや低く抑え、無駄が少し減るだけで、エネルギー使用のベース(水準)は決して下がりません。夏に室内に侵入した熱は、やはりヒートポンプで外に汲み出して、暑い屋外をさらに暑くするしかないからです。しかし、北欧並みに断熱性の優れた建物は、夏も冬も室内の温度変化小さくでき、快適性を保ちながらエネルギー使用量のベースは十分に低くできる筈なのです。

ここ数十年で飛躍的に向上した底の浅い?技術(例えばエレクトロニクスやITなど)ばかりに頼るのではなく、先ずは地道ではありますが建物の断熱性を高める方向を目指すべきでしょう。そのためには、広く郊外に分散してしまった住宅を、ヨーロッパの都市並みに、耐久性の高い中層住宅を都市の中心部に戻す、いわゆる都市のコンパクト化も不可欠です。コンパクト化が進めば、たとえば「地域冷暖房システム」も構築しやすくなり、水道局と同列の「冷暖房熱供給局」といった公共的なエネルギー供給インフラも可能になります。

ここまでやれば、間違いなくエネルギー使用のベースは、現状の半分以下に低下し、原発などに頼らなくても済む国になるでしょう。何故なら、火力発電所を都市に近接して立地させる事により、発電所の排熱をこの目的に「お下がり利用(カスケード利用)」出来るため、発電所の熱効率は、現状の40%程度から70-80%ほどに飛躍的に向上するたからです。コンパクト化の削減効果と組み合わせれば、結果としてエネルギー消費のベースを現状の1/4に低減させる事も夢ではないでしょう。そのインフラを構築する過程で、スマートシステムを織り込んでいけば、更なる低エネルギー社会への発展も出来る筈です。現状のままで、電力だけを取り上げるスマート化の議論は、間違いなく「方向」と「順番」が違います。

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