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2012年12月23日 (日)

1936 古い産業に新しい技術

さて、分散システムが今後の正しい方向だとしても、それは直ちに昔ながらのシステムに戻る事は意味しません。何故なら、今のシステムは戦後の50年をかけて徐々に、時には急速に行われてきた社会のリストラだからです。結果、社会インフラやそれに伴っての人口動態や年齢ピラミッドまで含めて、大きく変わってしまったからです。人々は、都市に群れて住み、狭い国内を新幹線や飛行機を使って旅行し、季節感の無い商業作物を口にし、モノは作らずただ消費を助けるだけのサービス業の従事者が、なんと国民の2/3を占めるまでになった訳です。

勿論、1次産業(例えば農業)を完全にネグレクトしている訳ではありません。ココロある人は、農業と加工と販売をリンクさせた、6次産業化などと言う言葉を作って、雇用を創出しようと提言しています。しかし、これとて農業そのものを拡大する効果は大きくはないでしょう。相変わらず、コメ離れは続き、後継者の無い農地は荒れ果てていくだけです。何故なら、これは2次産業・3次産業の雇用が増えるだけの取組みだからです。

投稿者が提案するのは「1次産業+1次エネ」型の産業です。農業は、林業なども含め太陽光を作物や木材として固定させる産業ですから、基本的には太陽光に依存した産業です。しかし、悲しいかな太陽光は非常に広く、しかし薄くしか存在しないエネルギー源なので、集中的な生産や流通には元々向いていないのです。そのため、昔からコメなど貯蔵が利く作物以外は、地元で作られ、地元で消費されていたはずです。つまりは、地産地消は、太陽光依存の必然だったと言うことです。

従って、エネルギーを再生可能型(≒太陽光)にシフトする限りにおいては、全てのシステムを分散型に設計し直す必要があるのです。とは言いながら、この事は必ずしも古い産業構造に引き戻す事は意味しません。そこに、ここ数十年で磨かれてきた新しい技術を組み合わせる訳です。木材を加工したペレット燃料や液化燃料、あるいは稲わらやモミ殻を加工した固形燃料やアルコール化、さらに言えば少し時代を遡れば村々に存在した「地域水車」の水源を利用した、効率の高い小水力発電など、足元を見渡せば古い産業の痕跡が見つかり、そこに新しい技術(必ずしもハイテクは意味しません)を適用すれば、新たな産業に成長するポテンシャルは大きいと言えます。勿論地産地消の原則は外せませんから、例えば小さな川の流域など、昔からあった地域内で動く小さなシステムを構築すべきでしょう。

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コメント

勉強になります。
難しい問題ですね。

投稿: starfield | 2012年12月23日 (日) 19時39分

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