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2012年12月24日 (月)

1937 負債または負の遺産

たまたま昨夜NHKでも国債の特集していましたが、これはそれ以前に書き溜めていたものです…。最近「負債」という言葉が気にかかります。別の言葉では借金となりますが、負債は借金ほど軽い響きではなく、もっと根が深い様に感ずるのです。借金と書けば、その利害関係者は単純です。つまり借り手と貸し手の二者だけです。

しかし、負債と言われれば、そこには単数の借り手(例えば企業や国)と複数の債権者というイメージになります。しかも債権者も別の負債を抱えている場合が多いので、かつてバブルが崩壊した時の様に、終わりのない倒産連鎖が生じたりすることも多いのです。勿論、バブル崩壊の後遺症が完全に消えた訳ではありません。今は辛うじて体裁を保っている企業ではあっても、まだまだ「潜在的な不良債権」を抱えたままの企業や金融機関も多いからです。企業であれば、何とか会計をやりくりして、見かけ上の債権を消して見せるテクニックもあるのでしょうが、国の負債はそれほど見事に隠す事が出来ないため、連日報道される様に、900兆オーバーの債権が積み上がる事になります。これは、取りも直さずバブルで生じた、この国全体の債権のショーケースだとも言えそうです。

あのバブル崩壊を記憶している、この国の債権者や投資家が生きている限りは、かつてと同じレベルのバブルは起こらないでしょうが、既に天文学的に積み上がった債権を消すには、殆どの債権者には債権証書を握ったまま、静かにお隠れになって貰うしか解決策は無さそうです。つまりは、債務の帳消しです。

債務は、しかしお金の問題だけでは勿論ありません。余り例として出したくはありませんが、原発事故で放出された放射性物質や、原発の燃料プールに積み上がった、使用済み燃料棒などはモノとしての負の遺産の典型と言えます。大気中に放出されてしまった二酸化炭素も、各地の最終処分場に積み上がった埋め立てゴミも、あるいはまだ古い建物の多くに残されている筈のアスベストや、地下の倉庫に残されたままのPCB入りトランス等、この手のモノの負の遺産も枚挙に暇がありません。公害問題は決して過去の出来事ではなく、現在も抱えたままの負の遺産なのです。

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