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2013年1月22日 (火)

1965 バッテリー考

蓄電池屋さんに「立ち入り」が入った様です。電池屋ではない元機械屋ですので、痛々しく焼け焦げた「バッテリーの気持ち」は何となく想像するだけですが、焼けるには焼けるだけの事情(原因)があった筈です。バッテリーが焼けなければならない状況としては、過充電と過電流による放電が考えられそうです。前者は、今のことろ「シロ」らしいので、残るは過電流になります。もちろん、欠陥による内部ショートも考えられますが、それは追って明らかにされるでしょう。もちろん、一人バッテリー屋さんを責めるのは全くの片手落ちです。当然、いくつかの関門で厳しいFT(機能試験)を行った上で搭載された筈だからです。

過電流(過剰放電)の原因としては、負荷側での短絡か、あるいは過大な負荷が考えられます。前者はやはり、今後の調査で明らかにされるでしょうが、同種の短絡事故が重なって報告される事は考えにくいので、残りの可能性を吟味してみます。航空機がシステムとして最も不安定な状況は言わずもがなですが、離陸時と着陸時です。このうち、離陸時は機体速度があまり上がっていないにも関わらず、エンジンパワーとしてはMaxとなり(つまりは多量に燃料が燃やされる)なり、降着装置(ランディングギヤや動翼関係)のパワーもま最大になる筈です。これまでは、エンジンで直接駆動される油圧ポンプからの油圧で動かしていたアクチュエータ類の多くが電動化されている新しい機種では、パワエレ関係の電力もまた、Maxになる時間帯でもあります。

さて、この時バッテリーには、大きな負荷が掛かり、同時に追加充電のために発電機からの電力もまたバッテリーに殺到するでしょう。しかし、航空機においてはバッテリーの保護のためとはいえ、ブレーカを切る訳にはいきません。精々過充電に対しては、ダミー負荷で電流を逃がす事しか出来ないでしょう。

バッテリーの静的なテストは、十分過ぎるほど行われてから機体に装着された事は疑いがありません。しかし、実際の負荷や荒れた気象条件下などで想定以上のマニューバによる、ダイナミックな負荷変動にどれほどの事がシミュレーションされ、それを含んだ機能試験が行われたか、複数の事故の報道から考えても、心元無い限りです。バッテリー自体も負荷(内部抵抗)の一つなので、充電でも放電でもジュール熱が発生する機器なのです。また、その際の放熱がどの程度考慮され、対策がされていたか、つまりは電気屋に熱の事がどれほど理解されていたか、事故報告に津々たる興味が湧きます。

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