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2013年1月31日 (木)

1974 落穂拾い3(木材)

近くの国道を通ると、規模の大きな森林組合の貯木場が目につきます。国内の木材市場で、国産材の割合が3割を切っているとはいえ、かつて木材の一大生産地であった東北には、それなりの規模で、林業や製材業などがまだ生き残っています。しかし、問題はコストでしょう。平場で大規模に伐採できる北米材や東南アジア材に比べ、くねくねとした林道を刻んで、チマチマとしか集材できない国産材とでは、海上輸送費を加えても殆ど勝負にならない訳です。

しかし、国産材でも材木としての用途以外に用途を拡大し、一本の材木を数種類の製品として活用する事が出来れば、価格競争力も格段に上がるでしょう。例えば、芯の部分は材木として建築用に、製材屑や枝葉などの林地残材は木質ペレットなどのバイオマス燃料に、樹皮はタンニンやツヤ酸などの成分を抽出して化学産業の原材料に、樹種によっては同じく抽出物質による殺菌剤や芳香剤などの用途に、燃料として燃やした後に残った灰は肥料に、といった具合に「一粒で何度も美味しい」という使い方をすれば、国産材もその付加価値を上げる事が出来、十分に山から降ろすコストを吸収し、全体としての価格競争力を持たせる事も可能となるでしょう。つまりは、木材の多面的な活用により、目方当たりの市場価値を、例えば現状の倍程度に高める工夫と言うことになります。

ボンヤリ眺めていれば、単に緑の葉が茂っていて、手入れの行き届かない山林ですが、木材を部位ごと、成分ごと、用途ごとに分解してその用途を拡大する事により、新たな価値を生み出す事が出来ると言う例になるでしょう。つまりは、田舎であっても足元にある「ありふれた素材」に、新たな価値を見つける(付加する)事により、新産業が興せる可能性を示唆しているとも言えるでしょう。そう考えると、山や里にある一木一草にも、新たな価値が見出せるかも知れないのです。今は知識(知恵)が途切れたために足で踏みつけられている雑草も、かつては薬草として重宝されていたかも知れないからです。あるいは、得難い栄養成分を含んでいる山菜として新たな健康食材として蘇る可能性もあるかもしれません。これは、植物の分野での落穂拾いと言えるでしょう。さらに続きます。

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