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2013年2月 1日 (金)

1975 長所は短所

787のバッテリー事故に絡む(と言われている)火災の原因究明が続いていますが、以前にも書いた様に、真に高い安全性は、石橋を叩いてもなかなか渡らない慎重さの上にしか築けない筈なのです。車に限らず、航空機に限らず、多くの事故は「変更」に絡んで発生するものです。例えば、同じ機能の部品ではあるが、コストの点から別のサプライヤーを切り替えた直後にリコールにつながる事故が多発した車がありました。大型旅客機において、油圧式のアクチュエータから、電動式に大きく舵を切ったA社の後追いをしてしまったB社のB787が、今窮地に陥っているいるのは、同じようなトラックで、同じような轍の中を進んでいる様に見えてなりません。事故率が低いシステムの実績は、何者にも替えがたい安全性の証明書でもあります。

電動式アクチュエータは、システムが単純で、それゆえ軽量で電気式のコントロールシステムとの相性も良く、かつ応答性も高いという優れた特徴を持ちます。しかし、それは即ち裏返した短所も持つ筈なのです。電動システムは、水に弱く、短絡が起こると瞬間的に電源喪失事故を招き、(ジュール熱による)発熱に弱く、たぶん極低温にも弱く、予期せぬ急激な負荷変動にも弱いなどの短所は、電気の素人である投稿者にも容易に挙げられます。

今回のB787の一連の事故が提示したIssueは、例えば油圧式を、古い重いシステムと見るか、あるいは古くて重いが実績が最も多い安定したシステムと見るか、の問題に見えてなりません。(電動式の)表面上の長所に飛びつく前に、その裏にある短所を全てリストアップし、ビシバシと叩いて問題点を追い出し、吟味する必要があると思うのです。それが、即ち「リスク管理」と言う作業の中身そのものだからです。電動式に切り替えるのであれば、初期は重すぎるほどバックアップの電源を搭載し、安全性が確認されるにつれて、予備の数を徐々に減らす、と言った慎重さが求められる筈です。メインバッテリーを予備がバックアップする程度のシステムでは全く事足りず、電源とコントロールシステムを全く二重にした上で、いざという時にはさらにAPU電源でカバーできる程度にはRedundancyが必要でしょう。確かに、現在のシステムでも、問題のバッテリーが1個焼けただけでは墜落事故には至りませんでしたが…。

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