« 1979 最先端はモロい | トップページ | 1981 再現試験 »

2013年2月 6日 (水)

1980 ローテク産業の復活

1979の続きです。近年のこの国の閉塞感を鳥瞰すれば、戦後一貫して追い求めてきた、西欧並み(もっと正確にはB国並み)の文化的?な生活スタイル実現の夢が、達成されてしまった結果なのではないかと疑っています。その証拠には、田舎に行けば、一家の大人の数と同じ数の車を持ち、電化製品に囲まれて暮らしているではありませんか。一方、国土が狭いこの国では、住宅の広さや質が欧米に比べて見劣りするのは致し方ありません。さてこの国の屋台骨となるべき大企業はと見れば、モノづくりで言えば自動車メーカーであり、大分元気が無くなったとはいえ、電機(電気)メーカーであり、航空機に関連する重工くらいでしょう。それよりも、多分何倍も何十倍もの(元技術屋などには想像もできませんが)規模のサービス産業の大企業がひしめいている筈です。

国内のモノづくり産業が空洞化した結果として、はじき出された労働者はサービス産業へ移動を余儀なくされ、それを吸収するために「お金を転がす」金融業や「サービス産業」が幅を利かせてきたと言えます。つまりはモノを作らないでお金を生み出す仕掛けのことです。その結果として、それらの大きな船に乗り損ねた中小企業や労働者は溺れかけている訳です。

そうではなくて、もっと野太くてダサく見える技術を持つ中小企業でも、あまり最先端の技を身に付けていない労働者も十分役に立つように、産業や製品や仕事をもっと厚くしていく必要があると思うのです。最先端の技術で生み出した製品を、諸外国に輸出して外貨を稼ぎ、石油や食糧や原料を輸入すると言う20世紀型のこの国の社会モデルは、かなりの程度破綻していると言うしかないでしょう。

最先端でもない機械(設備)や、器用な手先を持つ(しかし今日では未熟練労働者とみなされる)人たちを生かす道は、ローテク産業の復活しか無さそうに思えるのです。石油から作られるプラスチック製品ではなく、手ワザを使った工芸品を日常使い、石油燃料の替わりにバイオマスを使った(冷)暖房を増やし、30分か1時間に一本しか電車が通らない鉄道をもっと活用し、インフラや製品の修繕産業を急拡大させ、電気を使わない(非電化製品)を増やし、巨大ショッピングモールの替わりに街角の小規模な市(いち)を復活させ、それらに関わる雇用を増やせば、今日的な問題の多くは解決できる筈だなどと、東北にUターンした一羽の鳥(あるいは糸の切れた凧?)として、今日もフラフラと飛びながら空から眺めています。

|

« 1979 最先端はモロい | トップページ | 1981 再現試験 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/185422/56705312

この記事へのトラックバック一覧です: 1980 ローテク産業の復活:

« 1979 最先端はモロい | トップページ | 1981 再現試験 »