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2013年4月15日 (月)

2046 人口ヒステリシス

2043の続きです。現代の社会システムの後戻りを考える時、最も難しいのが多分人口の偏在問題でしょう。20世紀後半の、この国の、産業構造の劇的な変化、つまりは第1次産業から、第2次産業への大幅なシフトと、その結果として3次産業人口の急拡大により、マグネットに吸い寄せられる鉄粉の様に、地方の人口が都市に吸い寄せられてしまったからです。確かに、そのマグネットが持っていた磁力は、産業の空洞化などで弱くはなりましたが、人口動態にも当てはまる「慣性の法則」により、地方へのUターンの流れは生まれませんでした。

今後何らかの人口Uターンのための誘導政策を打ったとしても、先ごろの人口動態予測の様に、投稿者が敢えてUターンした、ここ秋田県の人口は、30年も経たないうちに30%以上減少してしまうと言う「統計の予言」を受け入れるしかない訳です。ここでも、私たちはヒステリシスループの呪縛から逃れられない様なのです。つまり、都市の人口は、ある時期自乗カーブに乗って増加しましたが、これを逆転させる強力な政策を打っても、それがUターンに転ずるスピードは、非常にゆっくりとしか進まなし、その割合も小さい可能性が大なのです。

それは、都市の持つ「内部エネルギー」で説明できるかも知れません。都市の持つ人を引き付けるエネルギーは元々大きなものがあります。というよりそういう場所を都市と呼ぶのかもしれません。人やモノが集まり、便利で、「文化的」で、就職の機会が多く、いわゆるお金も手に入ります。しかし、そのエネルギーの大きさも、お金を物差しに使う限りにおいて、という条件を付さない訳にはいきません。生活が不安定でお金もあまり儲からない、全てのモノが高い、ゴミゴミしている、災害に弱いなど、人付き合いが苦手で疲れる、など別の基準を持ち込むと、途端に田舎の株が急上昇するでしょう。どの様な道筋で考えてみても、全てのモノを外から運び込まなければ、一日として日々の営みが出来ない都市と、贅沢さえしなければ、必要なモノが地域内で手に入る田舎では、混沌の時代において後者が有利である事は自明です。何時Uターンすれば良いかと問われれば「今でしょ」というしかありません。都市の内部エネルギーは今後急速に萎むと予測しておきます。

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