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2013年4月26日 (金)

2057 ブラックボックス化

何やら、バッテリー事故を起こしたあの旅客機が、有耶無耶のうちに、再度飛行を再開する様です。原因追究が一体どうなったのか、まだ発表はありませんから、原発の事故後の再稼働同様、経済優先の「見切り発車」と言うしかありません。同じLiイオンバッテリーと呼びながら、車と航空機では、実は電池へ掛かり負荷のシビアリティには大きな差があります。それは、一言で言えばリダンダンシィの大きさだと言えるでしょう。システムの定常状態での最大負荷を100%とすると、車だと重量の制限が緩いので、例えば設計値を200%程度に取り、プラス100%の余裕を待たせても、それがコスト的に許されるならあまり大きな問題にはならないでしょう。

しかし、それは航空機、とりわけ旅客機においてはそれは「重量的に許されない」話なのです。何故なら、旅客機の採算性は、同じサイズ・重量であれば一人でも多くの旅客を乗せる事が出来る機体が航空会社に採用されるチャンスが大きくなるからです。一人の平均体重を60㎏とすれば、バッテリーの安全性を高めるために余裕を持たせ、例えば余分に120㎏の重量増加になれば、二人分の旅客を諦めなければならなくなるでしょう。これは、メーカーにとっても航空会社にとっても耐えられない「不経済」なのです。従って、旅客機の設計者に許される「安全率」は、200%ではなく例えば120%程度に留まる場合もあり得る訳です。

もう一つの問題は、特に新しく開発された機体程、先端技術が詰め込まれているため、メーカーが「機能」だけを保証し、中身を「ブラックボックス化」する傾向があることです。特にそれが軍事に関連するものであれば、使用者が絶対分解できない様にシールすらされています。その意味で、今回のバッテリーも旅客機搭載は最初のケースであった事、操縦系統を油圧から電動に大幅に移行させた事を見ても、多くのブラックボックスが集まったシステムである事が想像できます。同じ様な状況(ブラックボックス化)は、原発の制御システムでもそうでしょうし、身近なところでも、最近の車はオーナーが弄る事など全く出来なくなっている事でも加速している事が分かります。インプットとアウトプットだけは分かっているが、中身が見えないシステム箱の中には、まさに「黒い闇」が入っている様に感じられます。

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