« 2154 地域資源は何処にある2 | トップページ | 2156 セミ・オフグリッド »

2013年8月 8日 (木)

2155 熱帯化

最近の寒帯ジェット気流と亜熱帯ジェット気流の流れを下記のURLで眺めていると、明らかに亜熱帯ジェット気流がが北海道辺りまでせり上がっていることに目が行きます。

http://www.cokbee.com/weather/jet.htm

亜熱帯ジェット気流とは、赤道付近で生ずる上昇気流と、夏場赤道付近並みに太陽光を受ける温帯地域で生ずる上昇気流がぶつかる亜熱帯地域で観測されるジェット気流なのですが、この気流の赤道側は基本的には熱帯性の気候に支配されるという事になります。つまり、30℃をはるかに超える高温と、熱帯の海でたっぷりと湿気を吸った気流による多湿の大気に支配されるわけですから、スコール並みの降雨もしばしば観察される事にもなります。

ところで、亜熱帯ジェットのせり上がりは、結局夏場の北極気団の極端な縮小に原因がありそうなのです。事実、数十年前のデータは残っていないかも知れませんが、近年の極気団の周りに生ずる寒帯ジェットのさし渡しは随分小さくなっている印象があります。夏場は殆ど、北極海の大きさと変わらないほどまで縮小しているのです。これは、いわゆる温暖化傾向の中で、北極海の海氷が極端に融解し、結果として海のアルベド値が大きくなって、海水温度が上昇していることが原因と考えて間違いはなさそうです。極付近の気温が高まると、下降気流が弱くなり、結果として北極気団が小さくまとまり、寒帯ジェットの緯度が高くなってしまうからです。これに加えて、気温の増加にともなう、大気中の絶対湿度の増加があります。水蒸気は強力な温暖化効果ガスでもあるので、気温上昇に更に数℃の上乗せが出る事になります。晴れれば35℃越えはこれらの相乗作用だと見ています。

さて、夏場に西南日本が熱帯化し、東北地方辺りまで亜熱帯化の傾向が定着しつつあると考えると、私たちは何らかの対策を考え出さなくてはならないでしょう。農作物の品種改良やより熱帯地域に近い品種への転換なども既に必要な状況になっている様ですし、住居や建物構造も何らかの対策が必要かもしれません。具体的には、より遮熱性(太陽光や外気温を遮断する性能が高いこと)を向上させた屋根・壁構造や、あるいは室内の湿度を高度に除去する仕組み(デシカントシステム)などの充実などです。

また、熱帯性の病害虫も怖いところです。冬場に積雪がある地域では、熱帯の害虫は冬越しできない可能性がありますが、温排水が豊富な都市部では、既に「セアカゴケグモ」などの毒虫の冬越しが確認されているからです。特に蚊が媒介する熱帯性の病気、とりわけマラリアなどの水際防御には、これまで以上の注意が必要となっています。

|

« 2154 地域資源は何処にある2 | トップページ | 2156 セミ・オフグリッド »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2155 熱帯化:

« 2154 地域資源は何処にある2 | トップページ | 2156 セミ・オフグリッド »