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2013年8月15日 (木)

2159 スケールメリットの呪縛

また、環境ネタに戻ります。再生可能型エネルギーの利用においては、その採算性の検討からは大規模化への圧力が働いている様に見えます。しかし、考えてみれば簡単にわかる様に、再生可能型エネルギーの殆どは太陽光起源であり、そもそも大規模化には馴染まない筈なのです。大規模化のためには、薄く広く賦存している太陽光(やその結果生じたエネルギー形態)を苦労して集める必要がある訳です。更に、せっかく集めたエネルギー(電力なり熱なり)を再度需要家に配布しなければなりません。

従って、エネルギーの変換システムのスケールは、得られたエネルギーの配布も考慮した、最適サイズが存在すると考えなければならないでしょう。そのオキテを破った例が、いわゆるメガソーラでしょうか。1ヶ所で集中的に発電する結果、発電量のピークとなる真夏の晴天の日中に、同じく需要のピークとなるであろう需要家のエアコンを動かすために電力網を使って送り込んでやる必要が生じます。そのためには、変電設備を作って電圧を上げてやる必要もあるでしょう。しかし需要家側では、それを柱上トランスでわざわざ降圧して使う事になります。送電や変圧時には僅かですがロスも生じますから、実は発電所での実質効率は目減りする事になります。

一方、数十キロワットの小規模な再エネ発電所、太陽光や小水力や風力による発電では、例えば200Vのまま、柱上トランスにつなぎ込めば、そのトランスから電力を受けている需要家で地域消費されますから、変換ロスも送電ロスも殆ど生じない事になります。結局、私たちは猫も杓子も企業も行政も、高いFIT価格を狙ってのメガソーラや大型風車に突っ走るのではなく、ぜひ地域デマンドを睨んだ、最適な中小規模システムに、方向転換をすべきでしょう。勿論、究極の理想はは各需要家が自分の家やビルや工場の屋根や敷地を最大限に使っての、太陽光、太陽熱、風水力等の個別ハイブリッドシステムである事は論を待ちません。

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