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2013年8月16日 (金)

2160 インフラ診断

橋梁やトンネルなどの社会インフラの劣化が問題になっていますが、投稿者としても何らかの貢献が出来ないか、アイデアを絞っています。劣化の種類には、大きくはコンクリート構造物と鉄鋼構造物の劣化に分けられるでしょう。

前者については、アルカリ骨材反応や酸性雨による脱灰によるコンクリート自体の劣化およびその中に入れられている鉄筋の発錆による強度低下が考えられます。順序としては、初めにコンクリートの劣化が進み、結果として鉄筋を覆うコンクリートの厚みが減少したり、クラックが入ったりする結果、鉄筋の発錆が進む事につながります。外観上は、コンクリートのクラックが顕著になり、コンクリート中の石灰分が溶出し表面に再析出します。次いで、鉄筋が常時水分に晒される事になり、発錆する事により鉄の酸化膨張が起こり、クラックを広げる事になるでしょう。いわば、コンクリートと鉄が相互劣化のスパイラルに陥る訳です。

一方、鉄鋼構造の劣化は、鋼材自身の腐食による板厚現象(痩せ)と溶接部の腐食割れなどが主原因となって、設計時の安全率が低下し、破断などの重大事故につながる事になります。鋼材の表面は、塗装膜によって保護はされますが、塗装膜自体の割れや紫外線による劣化で、母材表面が水分に直接晒される事になります。鋼材の錆は、水分存在下でイオン化した鉄分が酸化しながら移動する事によって進行しますが、大型構造物では亜鉛メッキなどの犠牲膜を乗せる事も出来ないため、現状では早めの再塗装しか打つ手がありません。

しかしながら、増えすぎたインフラは、補修予算が極端に手薄になっているため、予防保全は叶わず、「モグラ叩き保全」しか出来ない事態に陥っている訳です。それでも、劣化診断が適正に行われていれば、建設年次にはとらわれないくても劣化の進んでいる物件から手当をすれば重大事故にはつながらない筈ですが、如何せんその診断を行う人材が信じられない程手薄なのです。というのも、建設や土木の学問を修めた、いわゆる専門家も、実は劣化診断や補修技術などと言う分野の教育や経験を積んでいない場合も多いからです。モノの劣化の診断やその補修技術などは、多くの事例を見聞きし、多様な補修方法を経験しない限り、座学では身に付かない筋合いのものだからです。続きます。

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