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2013年8月17日 (土)

2161 インフラ診断2

インフラの診断においては、いずれにしても初期症状を発見する事が重要でしょう。つまりは、初期キズの発見です。例えば、鉄骨の構造物においては、必ず溶接部と継手部が存在します。しかし、溶接部や継手とは、逆に言えば応力の集中する場所でもある筈です。応力集中を少しでも小さくするために、設計者はそれなりの工夫を凝らしはしますが、滑らかな一般部に比べ、溶接部や継ぎ手部は形状的にも、金属組織的にも間違いなく不連続になっているので、応力が集中する事は不可避なのです。

橋梁の様に繰り返して荷重や振動が加わる構造においては、例えば溶着金属内に元々存在していた微細キズや凸凹なりが起点となって、初期の亀裂が生じ、そこに塗装膜の破れから水分が侵入すると、更に応力・腐食割れが加速する事につながります。金属における微細や欠陥やキズは、実は不可避な現象でもある訳で、如何にその進展を抑え込むかがメンテナンスのキモであると言っても良いでしょう。水分と酸素の存在は、錆びやすい鉄にとっては最大の敵でしょう。なんせ、還元された鉄は化学的に不安定なので、安定した酸化鉄に戻ろうとしている筈です。

それを防ぐには、犠牲陽極膜(たとえば亜鉛メッキです)を施したりやペイントを塗ったりすることになりますが、前者は橋梁などの大型構造物では事実上不可能です。

結局、インフラの診断やメンテナンスには近道は見つかりそうもなさそうです。いくつかの可能性としては、例えばセンサーを取り付けておいて、遠隔モニタリングを行うか、それとも人手を掛けてマメに点検を繰り返すかしか有効な手立てはなさそうなのです。とは言いながら、圧倒的に膨らんでしまったインフラ資産に対し、予算も人手も手薄になっている現状では、何らかの知恵を出して大事故になる事は防がなければなりません。この件に関しては引き続き考えていきます。

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