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2013年8月22日 (木)

2166 川筋循環モデル

このタイトルでは一度くらい書いたような気もするのですが、別の言葉で確認しておきます。日本の川は、県を跨いで流れる様な川は稀で、殆どは急峻山地から海へ流れ下る、数十キロのものが大部分を占めています。資源の一つである水は、この川と海の間を循環していると見ても良いでしょう。これを他の資源、例えば食糧やバイオマスなどに拡大して考えるのが「川筋循環」です。ちなみに、これは投稿者が作り出した言葉なので、辞書には載っていません。

さて、川の上流である山間地には、当然のことながら山林があり、昔で言えば木材や薪炭の供給地であった訳です。しかし、現在では自伐林家は見つけだすのさえ苦労する程で、殆どは放置されるか、小規模な伐採業者に任せているのが実情でしょう。間伐であれば、それなりの助成金も出ていますので、切り倒すだけの作業は行われているのでしょう。しかし、最早その林地は循環のスタート点とはなっていません。従って、最近の様にゲリラ雨が頻発する様な気候では、陽が差さない林床には下草も生えず、土砂が根の張りが弱いヒョロヒョロの人工林と一緒に押し流され、大きな被害を引き起こしています。最近でも、岩手に抜ける田沢湖線の沿線で、山崩れが多発したばかりです。これも、健全な山林の循環と再生産が上手く回っていない事の傍証でしょう。

また、川の中流域では農業がおこなわれているでしょう。典型的な場所では、里山の山際から、海岸部に広がる街の郊外まで、畑地や田が広がっている筈です。ここでの農産物は、地元での消費の他、余剰分はJAを経由して、例えば価格が管理された米として流通させてきたのでした。しかし、稲ワラやモミ殻は、今の時代では殆ど活用されておらず、無為に裁断して鋤きこまれたり、焼却されたりして消えていきます。思い起こせば、ワラは昔は立派な原料でした。紙(わら半紙)になり、縄になり、家畜の敷料になり、最後は堆肥して完熟されて田畑に戻されました。

私たちは、山林や田畑を介在させた、新しい時代の川筋循環を再度作り出す必要があると思うのです。今では、材木の端材はチップやペレット燃料に加工すれば、自動化された燃焼器(ペレットストーブやチップボイラや薪ボイラ)で熱としてリサイクルできます。モミ殻でさえ、粉砕圧縮してオガライト形状の燃料に生まれ変わります。街で廃棄される生ごみや廃油も、堆肥や農業機械のバイオ燃料としてリサイクルさせれば、川下から川上に向かう循環が作れるでしょう。これらの循環システムが、道具や技術やビジネスモデルは既にあるのに、この国でなかなか形にならないのは、一体何故なんでしょうか。しっかり考えてみなければならない問題ではあります。

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