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2013年8月26日 (月)

2170 何処まで行ってもタテ割り

この国に限らずどこの社会でも、多かれ少なかれタテ割り現象は存在するとは想像しています。何故なら、社会というものはそれぞれの構成員の枠割を、一定のルール(不文律+文律)で定めた仕組みだとも言えるからです。社会化があまり進んでいなかった時代、たとえ自分が群れの中で暮らしていたとしても、それは単に安全のためであって、明確な役割を意識しての行動まではしていなかったかもしれません。とは言いながら、オオカミやコヨーテなど、社会的な哺乳動物レベルになると、かなり社会化が進んでいると見る事も出来そうなのですが・・・。

さて、話をこの国の社会に戻しますが、他のタテ社会はあまり経験していないので、かつて自分が属していた「技術屋」社会をサンプルとして見ましょう。技術屋には、かつての投稿者の様な機械屋や電気屋、化け屋、土木屋などなどがありますが、この社会にも如何ともしがたい高い壁が作られてしまっている事は明らかです。何より、大学の工学部や高専など技術屋を育てる仕組みは最初から、明確に学部や学科が分かれてしまっています。勿論、教える立場の先生も完全な「専門家」として学位を取った人たちばかりです。その結果、学生が社会に出て行ったとしても、一応その道の専門家(の卵)として企業内でも育成される事でしょう。

しかし、よく考えてみなければならないのは、専門家故の高い壁の存在なのです。例えば、ロボットを取り上げてみるとよく分かるのですが、ロボットは実用化されてこの方、電気モータで動くタイプ「だけ」しか世の中に送り出されて来ませんでした。従って、ロボットの開発には主に機械屋と電気屋しかアサインされてこなかったのでした。必要とされたため中間的な、いわゆるメカトロ屋は確かに少数ですが生まれてきた事も事実です。しかし、例えば動力源やアクチュエータとして、動物の筋肉や腱の様な軟構造を使うと言う発想はついぞ生まれてこなかった訳です。従って、事故を起こした原発内で働かせたい作業ロボットも、バッテリー+モーター+歯車(又は油圧)と言ったパターンの中でしか開発出来ず、長時間動ける実用ロボットは、未だ提案されていないのです。もし、動物の筋肉の様な化学反応を使ったアクチュエータが、化け屋によって提案されていれば、ロボットのイメージやその多様性は格段に広がっていたはずです。

また例えば、今問題になっているインフラの劣化ですが、その主な原因はコンクリートの劣化と鉄鋼材料の腐食である事は明らかですが、しかしそのメカニズムは完全に「化学的」に説明できる中身なのです。コンクリートの劣化は、大気(例えばCO2)と水とセメントと骨材の成分の化学反応としてほぼ完全に説明できるでしょうし、鉄鋼の腐食についても水の存在下でのイオンの移動(つまりは酸化ですが)で説明できる話です。もし、土木屋と化け屋と冶金屋がチームを組めば、最強のインフラ材料が提案できるでしょうし、今起こっている劣化問題にも目から鱗のアイデアが飛び出すかもしれないのです。キーワードは学際、または「万屋」でしょうか。続きます。

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