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2014年1月28日 (火)

2290 二番煎じの国

航海にエンジンとハードセイル(鉄の帆)を併用するハイブリッド船が開発されたとか。しかし、これは決して「ニュース」ではありません。かつて石油危機と呼ばれた1970年代、すでにそのアイデアが生まれ、実際にもI社でプロトタイプのタンカー船も作られて、30%程度の省エネ性能が証明されていたからです。では、何故それが現在まで改良され続けて生き残ってこなかったのかですが、それは一にも二にも、「ケチな採算性のソロバン勘定」の結果だったと言うしかありません。つまり、帆やそれを制御するシステムを追加すれば、当然の事ながら建造費が、例えば1割程度アップするとします。そのコストアップは、実は数年間の運航中に、燃料の省エネ分として十分回収できる程度なのですが、取り敢えず「逆オイルショック」で油の値段ガクンと下がってしまうと、喉元を過ぎた熱さを忘れてしまうのが、この国の人たちの欠点でもあると思う次第です。

実は、同様の事態は風力利用の分野でも起こっていたのです。M者などは、舶用の可変ピッチプロペラのメカを流用して、数百基もの中型風車をB国西海岸のウインドファームに納入し、一応の技術を蓄積したはずなのです。しかし、これもオイルショックが一段落し、風車の市場価格が低下するや、あっさりと撤退してしまったのでした。しかし、その後も欧州のメーカーは、着実に技術を蓄積し、再生可能エネルギーの重要性が見直された時には、すでに世界市場の殆どを握っていたのでした。その結果、この国でも風況の良いサイトに建設されたウィンドファームに設置された殆どの風車が欧州製で占められていたのでした。その後、M社やF社やH社もこの市場に再参入または新規参入してきましたが、すでに市場では欧州の20年ほど後ろを歩かざるを得なかったのでした。

再エネでの唯一の例外は太陽光発電(PV)でしょうか。というのも、オイルショック後お国主導で進められたサンシャイン計画の目玉はPVでしたし、事実この分野ではS社や別のS社、P社やT社も多額の助成金を使って着実に成果を上げていたのでした。その結果確かにある時期は世界のトップシェアを握っていたこの国のPV産業も。結局は装置産業であるその種業界の悪しき前例の様に、D国やC国が立ち上げた巨大PV産業にジワジワと首位の座を明け渡してしまったのでした。この国のリーダー達の先を読む目は、全く信じられない小さい様です。

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コメント

「日立金属、冶金研究所ついに境界潤滑の原理を解明」
 機械設計屋ならわかるとおもうが、軸受などの設計に際し、従来の面圧を踏襲して40年もの年月が流れている、トライボロジー分野に画期的な理論「炭素結晶の競合モデル(CCSCモデル)」という画期的な理論を日立金属が発表した。鉄鋼材料と潤滑油の相互作用で出来た表面に付着しているナノレベルの炭素結晶の構造が滑り具合を決定しているとのこと。
 この理論に基づいて開発されている自己潤滑性特殊鋼SLD-MAGICの売り上げがさらに加速することが予想される。

投稿: 理化学研究所員 | 2016年10月22日 (土) 18時49分

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