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2014年3月10日 (月)

2331 利便とリスク

東南アジアで起こった航空機事故の報で感じた事をまとめてみました。日々旅、客機と名前が付くものだけでも多分大小7-8千機が世界中の空を飛びまわっている今日、悲惨な墜落事故のニュースが時々マスコミに登場するのは、ある意味仕方がないと言うしかありません。それは「確率」の問題だからです。航空機を設定する際には、特にメカ部分、例えば動翼、降脚装置、エンジンのスラストリバーサなどに対しては、あらゆる故障状況を想定する事が求められます。何故ならそれが航空機構造のルールだからです。従って、種々のアクチュエータやメカが壊れた、あるいは動きが悪くなった事態を想定し、それでも飛行が続けられ、あるいは着陸できる様に、バックアップを考える訳です。例えば、海を渡る旅客機は、エンジンが1基失火しても、残ったエンジンで3時間(最寄りの飛行場まで)飛び続ける事が出来る事がルールとなっています。

しかし、これらのバックアックには限界があります。想定された別々の故障が同時に起こる可能性があるからです。例えば、不運にも火山の上空で火山灰の中を飛んでしまった旅客機はたぶん全てのエンジンが停止して墜落は避けられないでしょう。もし「絶対安全」となる様にあらゆるトラブルのバックアップを備えたとしたら、その飛行機は重すぎて飛び上がれないでしょう。加えて「ヒューマンエラー」があります。パイロットは国際線の場合、2名が乗務するルールですが、それで万全と言う訳ではないでしょう。コパイロットは経験の浅い人が務めるのが普通ですし、正パイロットだってラッキーな(実は乗客にはアンラッキー)な人は、経験の中で大きなトラブルに遭遇していないかも知れないので、イザ自分の機にトラブルが生じた場合、冷静さを失う可能性もあります。

現在の2点間の移動を考えれば最速のジェット機ですが、それなりにかなり大きなリスクを背負いながら運行しているという事になります。手元に統計データはありませんが、乗客一人当たりのリスクを考えてみれば、航空機は最も危険な乗り物の一つと言っても間違いはないでしょう。K車は確かに危険な乗り物ですが、これは何しろ数億台が走り回っていますし、整備不良や習熟していない運転手(車のパイロット=乗客の一人)の体調やヒューマンエラー考えれば同列には考えられないでしょう。陸上輸送の代表である鉄道、取り分け新幹線のほぼ完ぺきな安全性を考えれば、飛行機の危険性は明らかでしょう。何しろ陸上の乗り物は、決定的な故障が起こっても止まるだけだからです。一方空飛ぶ乗り物は、飛行が続行できなければ落ちてしまうしかないのです。空の密室でもある航空機にはテロやハイジャックだって起こり得ます。利便の極みとして、ブラジルの川の名前を冠したネット通販の大手が、即時配達を狙って、小型無人ヘリによる配送を計画しているとのニュースも流れましたが、これは「冗談」だと断じるしかありません。墜落による物損事故や回転翼による人身事故を考えれば、キチガイ沙汰というしかないからです。もし、あらゆる安全装置を組み込んだとすれば、上で説明した様の飛び上がれない無人ヘリが出来てしまうでしょう。個々での結論としては、利便性とリスク(安全性の逆数)は比例すると言うものです。

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