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2014年3月18日 (火)

2335 PM2.5の底力

ヨーロッパの有名な観光都市では、いま都市を覆うPM10が問題になっている様です。これは比較的大きな浮遊粒子で、5ミクロン以上の大きさなので、基本的には気道の繊毛に捉えられ、肺の奥深くまでには到達しないと言われてはいますが、いずれにしても気管支などの呼吸器系に炎症を引き起こす事もあり得ます。

一方、主にお隣の大国からの飛来に加え、国内でも工場やで車などからそれなりに排出されるPM2.5は、かなり恐ろしい汚染源ではあります。その理由は、その小ささ故に肺の奥深くに届き、しかもそこには繊毛が存在しないため、殆ど排出される事無く留まるからです。PM2.5は確かに粒子ではありますがその中身は多様で、物質自体が有害である場合も多いのです。石綿繊維も肺に留まり中皮腫などのガンを引き起こすので恐れられますが、PM2.5の引き起こす疾病は、まだ十分には解明されていない点、さらに不気味でもあります。これが注目され始めたのは、ディーゼル車の黒煙に含まれるPM(粒子状物質)に、ベンゾピレン(ちなみにこれはタバコの煙にも含まれます)などの多種類の発ガン性物質が含まれるとの認識が急速に広まったからでした。この国においてさえ、ディーゼル車へのフィルター装着が義務化されたとはいえ、PM2.5問題が完全に解決された訳ではない点、注意が必要でしょう。

それに加えての越境汚染です。PM2.5PM10や黄砂などとは異なり、粒子が細かい故に大気中に長く留まり、結果として広い地域に拡散します。偏西風は、季節によって流れる緯度は異なるものの、蛇行を繰り返しながら年中西から東に流れていますので、南北に長い日本列島といえども、PM2.5の被害から逃れられる地域は無いと考えるべきでしょう。それどころか、全国規模で激増してしまったいわゆる花粉症の引き金物質となっている可能性さえ考えなければならないでしょう。その因果関係が証明されている訳ではありませんが、C国がエネルギーの多量消費を始めた時期と、花粉症の激増時期が重なってもいるからです。彼の国の内陸部のエネルギー源は専ら石炭ですので、その燃焼で排出される有害物質の程度は石油の比ではありません。実質的にPM2.5を捉えるマスクを着けて日常生活を送る事は出来ませんので、体力的な弱者を中心に、その時間を掛けた攻撃から術の無いことが、この物質の最も恐ろしい点だと言えるでしょう。

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