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2014年3月21日 (金)

2338 黄昏時の暮らし方

夕暮れになって外で遊んでいた子供たちが、三々五々家に戻っていく様に、私たちは今の文明の黄昏時に佇んでいるのではないか、と思う事が時々あります。今の文明の特徴は、科学技術と化石エネルギーをテコに、これまでは一貫して右肩上がりの膨張・拡大を続けてきたと言えそうです。科学技術の特徴としては、一つのブレークスルーに触発されて、新たな科学・技術が積み上がってくる事が挙げられます。ボルタさんが電池を発明すれば、エジソンさんが電球や発電機を発明すると言った、発見・改良のスパイラルアップの連鎖です。使えば消耗する電池は、何度でも充電できるバッテリーに進化し、その充電密度も年々向し、電気自動車もかなり実用的なレベルまでブラッシュアップされてきたと言えるでしょう。キューリー夫妻が身を犠牲にして放射線を発見すれば、有名なユダヤ人がその理論を確立し、戦争がそれを爆弾に仕立て上げました。最初、何か月も潜航したままで行動できる潜水艦の動力用として開発原子炉が、やがては仕立て直されて原子力発電所に化けたのでした。

一方、確かに20世紀はフロンティアの時代で、地球でも未開の地があり、月へ人類を送ったアポロプロジェクトもあり、惑星探査なども夢煽っては来ましたが、しかし、考えてみなければならないのは、誰も行った事が無い土地や惑星を探査してみたところで、そこは荒涼たる土地が広がっているだけの場所でしかなかったのです。この時代、月や火星に本当に人が住めるなどと主張している人は正気が無いと切って捨てるしかないでしょう。仮に、シェルターを建設出来たとして、食糧が自給できるとも思えませんし、何か月かあるいは何年か掛かる地球からの補給機や救援機も予算が切れれば一貫の終わりです。

そうではなくて、黄昏時にはそれなりの暮らし方があると思うのです。外で遊び回るは適当に打ち切り、家の周りで静かに、しかし心豊かに過ごすライフスタイルを確立しなければなりません。しかし、私たちにはモデルがあります。先人たちが科学・技術も、化石エネルギーも殆ど無かった時代、世界の各地で、あるいはこの国でも文化の華を開かせた事を思い返せば、いくらでも暮らし方のヒントは見つかるはずなのです。数日前、カリブ海にある小国のドラム缶の底でこしらえた国民楽器(スティールパン)の放送があってたまたま視聴しましたが、貧しくても彼らは楽器演奏に参加しているだけで120%くらい満足そうな表情を浮かべていました。仮に幸福の尺度があるとしても、それはモノやカネではなく、ましてや科学・技術や消費エネルギーの多寡でない事は間違いないでしょう。

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