« 2342 地域強靭化 | トップページ | 2344 プラスα »

2014年3月26日 (水)

2343 文明の黄昏時

中南米に栄えたインカ帝国やエジプトなどの四大文明は衰退してしまったかも知れませんが、そこに発した知恵は、我々に引き継がれていると言う意味では、今の文明は数千年は継続していると見るのが妥当なのでしょう。しかし、石や木や自然物に依拠した、これらの古代文明の全くの延長線上に今の文明を位置付ける事には無理もありそうです。

現文明の真骨頂は、18-19世紀に体系された物理・化学、あるいはそれらと同時並行で実用化された資源やエネルギーにベースに持つ、つまりは科学・技術に依拠したものであると言う点にある様に思えます。レオナルド・ダビンチによるメカ、ニュートンらによる力学・物理学の体系化、その後の分子・原子の発見、量子力学の体系化からアインスタインなどによる原子力利用に至る系譜。さらには、内燃機関からジェットエンジンに至るまでの石油エネルギーの力学的利用による交通網の爆発的な進歩に至る系譜、それらを支えた各種金属加工や化学工業の系譜などなど。それらを総合して、今の文明は現在の隆盛を得た筈なのです。

暗い中世までの文明から、眩いばかりに光り輝く現代文明に移行したと考えるのでなく、科学・技術やそれを支える金属資源やエネルギー資源によって新たな文明が興隆したと考えるべきなのかも知れません。しかし、歴史が教える様に、文明には盛衰のサイクルがあるのも間違いありません。古代文明は、それを支えるための食糧の生産が十分ではなかった事によって滅びたと想像されます。しかし、農業が持続できなかった本当の原因は、その文明が栄えていた地域で、木の乱伐や焼き畑農業の拡大により、気候が砂漠化に移行し、十分な水資源が確保できなくなった事が引き金となったのでしょう。水が無くなった大地に人は住めませんので、やむなく栄えた土地を放棄するしかなかったのでしょう。

ではこの文明で「水」に当たるものは何でしょう。科学・技術文明を真に下から支えているものは、間違いなく(石油)エネルギーである事に気が付きます。車や飛行機をいくら大量に生産しても、それを動かすエネルギー、取り分け石油が無ければ、それらはただの鉄やアルミの箱に過ぎません。バッテリーで実用的に飛行機が飛ばせない事は明らかなので、今の文明は、動き(運び)続ける人類(Homo-movens?)による「石油文明」と呼ぶのが適当でしょう。2000年を少し超えた頃、石油生産量はピークを打ったと言われています。今後、石油減産が目に見える形で現れた時、この文明も黄昏時になるのでしょう。

|

« 2342 地域強靭化 | トップページ | 2344 プラスα »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2343 文明の黄昏時:

« 2342 地域強靭化 | トップページ | 2344 プラスα »