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2014年4月 1日 (火)

2349 適応策

環境問題に対処する正しい行動は、今や「適応」なのだそうです。悪化が進んだ環境を、もはや元に戻すのは現実的ではなく、悪いなりにそれに適応すると言うことなのでしょう。例えば、洪水や渇水への対策としては、大規模なダムや貯水池を建設する事がその適応策となるのでしょうし、一方温暖化の結果冷涼な気候を好む作物が作れなくなった場合には、品種改良するかそれも諦めて、温暖な地域の作物に転作するのもやはり適応策となるのでしょう。

ではエネルギー問題に関してはどうでしょう。これについても、化石エネルギーを使い過ぎた結果、大気中の2酸化炭素が増えてしまって、気候の温暖化傾向を招いたと言うメカニズムが正しいとして、もはや私たちに、大気中に排出してしまった温暖化効果ガスを、(化石エネルギーを使わないで)地中に戻す術は無い、という結論になってしまったと言うことでしょうか。それは、多分そうなのでしょう。砂の上に砂糖をばら撒くのは造作もない作業ですが、ではその砂糖の粒を拾い集めて砂糖壺の中に戻すと言う作業は、困難というより殆ど不可能だからです。IPCCも、その意味では、砂糖を集めるための「匙を投げた」という状態なのかも知れません。それで、エネルギー問題に「適応」するかですが、大きくは三つに分かれると見ています。

一つ目は、電気を起こすのに使われている化石燃料を減らすための方策ですが、そこでのキーワードは「非電化生活」です。如何に電気に頼らないで、私たちの暮らしを維持させるのかについて、私たちはあらん限りの知恵を集める必要があります。朝起きて、テレビをつけて、トースターでパンを焼き、IHコンロで目玉焼きを焼く生活から脱却する方法を考えなければなりません。炭火か、釜戸の火で飯を炊き、あるいは味噌汁を作って、漬物少しの漬物と共に朝食をとる、というまさに昔の暮らし方に戻るか、あるいは火を余り使わない新たな非電化生活を編み出す必要があります。

二つ目は、石油を使ってモノを運ぶ事を、諦めるか、極端に減らす事が求められます。化石エネルギーの多くは、人やモノを移動させる事に消費されているからです。自動車も、飛行機も船もも基本的には石油無しには動きません。車を水素で動かすといっても、その水素は「炭化水素=石油」から炭素を追い出す事によって得ているので、やはり二酸化炭素を出してしまうからです。移動する事、運ぶ事を極端に減らすという事は、その地域内での地産地消を究極まで進める事を意味します。振り返ってみれば、私たちには限られた量の鉄道輸送だけで社会を営んでいた長い歴史があったのですから。

三つ目は、熱エネルギーを、化石エネルギー以外から得る工夫が必要であるという点です。冷暖房や給湯や工場のプロセスに使われる化石エネルギー起源の熱は膨大な量に上ります。ガス給湯器、石油ストーブ、重油ボイラなどなど、化石燃料を酸素と結合させて熱を発生させるシステムの何と多い事でしょう。今や、野菜を育てるため、いわんやゴミを燃やすことにさえ石油が使われているのです。これを何としても、太陽光や風力や地熱などの再生可能エネルギーで賄う必要があります。私たちの頭の中から消えているのは、実は熱を蓄えると言うシステムの様です。例えば、太陽熱を温水に変えて1-2トン程度の容量のタンクに蓄えておけば、暖房や給湯の熱源として数日は十分使える筈なのです。蛇口をひねれば、水道の水が直ちにお湯になる瞬間湯沸かし器の超便利さを、私たちは一日も早く忘れる必要があるのです。これらが、エネルギー起源の二酸化炭素増加問題における適応策につながるでしょう。

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