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2014年4月 7日 (月)

2355 経年劣化2  4/7

続きです。経年による劣化は、もちろん水存在下の腐食や応力腐食割れだけではありません。もう一つ構造破壊の大きな原因として、繰り返し応力による疲労破壊があります。例えば、風車や蒸気タービンなどの回転体は、1回転で1サイクルの応力を受けます。風車の羽根もタービンの羽根も、当然の事ながら羽根の根元には遠心力により強烈な引っ張り応力を受け続けますが、一方では風や蒸気による繰り返し曲げ応力も併せて受けるのです。

それは勿論設計的には織り込み済みなのですが、問題は羽根や構造の固有振動数に起因する自励振動や予期せぬ渦流などによる他励振動です。振動が増幅された場合には、設計を上回る応力を受け、最終的には破壊してしまうでしょう。具体的には風車や蒸気タービンでは、応力に耐え切れず、羽根が千切れて飛んでしまいます。風車で、ハブ全体が落ちてしまう事故も時々耳にしますが、それは同じことが回転軸に起こったため、軸受の際で折れてしまったために起こったのでしょう。もちろん、場合によっては軸受のメンテナンス不良(例えば注油不足)によって引き起こされたヒューマンエラー事故も混じっているのでしょう。

もっと深刻なのは、2354に書いた腐食などに伴う材料の劣化と、異常な繰り返しの応力の発生とは別々の問題ではなく、間違いなく同時並行で進むと言う点です。風車事故に関しては、ニュースでも時々耳にしますが、この国の原発でも実はタービンの羽根が飛んだ重大事故を起こしているのです。それは、H岡原発で起こりましたが、何故かそれがマスコミで大々的に報じられる事はなかったのです。ここの原発は機会があって一度見学に入った事がありますが、根元から折れた結果、タービンケースに当たってひん曲がった状態のブレードのレプリカが置いてありました。それはもちろん通常の見学者が通るルートではありませんでしたが、もしこれがタービンケースを突き破って飛び出し、そこから多量の放射能を含んだ蒸気が漏れていたら、と想像した時、背筋が寒くなったものでした。

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