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2014年4月12日 (土)

2360 リーダーの劣化

ここでは、「劣化」と言う言葉の意味を、「歯止めが利かない崩壊への不安」、と定義し直してみます。大分前に発刊された新書ですが、その中にかつてK尚中氏が、当時の新リーダー(=今のリーダー)を暗に「無邪気で危険な政治家」と見ていた、という又引きの記述がありました。今のリーダーが二度目の座のついてからの言動を見るにつけ、氏の鋭い観察眼には敬服せざるを得ません。一般の人はたぶん、「無邪気」の側面だけを見て、(家柄も良いし)人柄が良さそう、などと感ずるのでしょうが、彼が繰り返し口にする言葉の端々には、かなり「危険なにおい」を感じている人も少なくはないでしょう。

ここでは、特に個人の上げ足を取るつもりもないのですが、やはりこの国のリーダー(政治家や官僚や経営者や評論家など)達の劣化を憂うしかありません。ところで、金属の劣化とは金属の酸化取り分け結晶粒界腐食の進行により強度が大きく低下する状態を指し、一方木材の劣化とは腐朽により木材の強度を担うセルロースが分解されて、元の水と二酸化炭素になって消散する状態を指します。では、政治の劣化、リーダーの劣化とは何を指すのでしょうか。簡単に言ってしまえば、先人が長年掛かって築かれてきた土台を脆くする行動と定義しておきましょう。戦後の占領下から連綿として築いてきたものを「戦後レジューム」と呼ぶのは勝手で、押しつけのConstitutionを書き換えようと叫ぶのも勝手でしょう。しかし、悪い規制は撤廃するにしても、同時にそれまでは結構上手く機能していた規制も、見境なく吹っ飛ばしてしまうのはいかがなものでしょうか。

規制を壊すのは、どちらかといえば簡単な話です。難しいのは、それまであった規制を外す場合、その影響、取り分け悪影響が一体どこまで及ぶのかを見極める事だと思うのです。というのも、長い時間経過の後では、規制の影響の根が思わぬ所まで及んでいる可能性があるからです。例えば、企業に関する規制を外した結果、雇用の形態や失業率まで影響を及ぼすと言った具合です。リーダー達は、自分の一挙手一投足がこれまで築き上げてきた土台に与える影響を慎重に見極める必要があるはずなのです。にも関わらず、今のリーダー達の言葉の何と軽い事でしょう。リーダーとは自分が言いたい事を言うのではなく、将来に向けてあるべき社会を語る上で言うべき事を口にしなければならない筈です。戦後レジューム(という訳の分らない状況)から脱する、そのために憲法を弄る云々などとお経の様に繰り返すのでなく、将来どの様な国や社会を作るかを表明し、今何をすべきかを語るのがリーダーの役割だと強く思います。それ(ビジョン)が無いからこそ人々は不安に駆られるのです。

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