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2014年6月29日 (日)

2428 自家中毒

原発城下町の盛衰がTVで取り上げられていました。海辺の寒村が原発マネーで豊かな町にはなったが、その原発の事故で、町そのものが消えようとしている、という特集番組でした。原発立地は、確かに産業の無い村にとって千載一遇のチャンスだったでしょう。建設のための道路が整備され、建設労働者が大挙して押し寄せ、補償金や交付金で夢の様な公共施設やインフラが整っていったでのでしょう。農家は商店やサービス業や下宿屋を始め、みんな豊かになりました。しかし、あの地震と溶融事故です。ひどく汚染された土地は、もしかすると数世代に亘って住めなくなり、結果としては他の原発の放射性廃棄物も引き受けての「置き場」にするしか方法ががいのかもしれません。某大臣の言う通りお金を積み上げて。~で栄えて、~で滅びる、です。

しかし、「~で栄えて、~で滅びる」というフレーズの~には、実は色んなものが当てはまるのかもしれません。例えば、私たちは石油や石炭やLNGなどを潤沢に使って、今は栄えている様に見えますが、狭い部屋で炭火を使った人が一酸化炭素中毒になる様に、有限な大気中で炭化水素を燃やし続ける私たちは、息苦しさで滅びるのかもしれません。実際、その前触れとして石炭の燃焼に由来するPM2.5や、石油類全般の燃焼の結果である炭酸ガスや窒素酸化物の増加の結果である酸性雨などが私たちを苦しめ始めています。

これらをひっくるめて「自家中毒」と呼ぶことにしますが、多くの中毒の原因となる毒物は、実は濃度が薄い場合には快楽物質や有効な薬として作用する場合も多いのです。例えば強心剤として有効だが猛毒のジギタリスなどが挙げられます。逆に言えば、薬として使われている物質でも大量に摂取すれば命を危うくしたり、重度の中毒を起こしたりする結果になる訳です。それは、エタノール(お酒)を例に挙げるまでもない事実でしょう。

すこし筋の異なる自家中毒ですが、私たちは実はお金による自家中毒に陥りかけている懸念がぬぐい切れません。お金のっ両は日々急激な勢いで増え続けています。何しろ、天文学的な額の石油や鉱物が日々採掘されていますから、それを買い取るためにお金が印刷され続ける訳です。その結果、私たちはお金(の価値)をコントロールする事が出来なくなって、事実上成り行きに任せるしかなくなっています。それが、体(人間社会)にあまり良くないとは薄々分かっているのですが、そこから抜け出せないのです。これも薬物やアルコールなどと同じ自家中毒、あるいは依存症の典型的な症状だと言うしかありません。お金で栄えて、お金で滅びるのはギャンブラーだけではありません。

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