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2014年6月30日 (月)

2429 ~でもある

いま住んでいる県内に所在する大手の集成材工場を訪問しました。年間数万㎥を処理する規模の工場です。集成材とは、板状の単板を貼り合せて、一本の柱材にすることによって、無垢の木材より強度の高い構造材を得ようとするものです。ここでは、スギとヒノキのミックス集成材に特徴を持たせている様です。さて、この工場では別の製材所からあまり乾燥していない材をこうニュします。それを蒸気で乾燥させてから仕上げ製材+接着工程に流すのですが、その過程で、カンナ屑や木挽き粉に加え、切り落とした端材が大量に発生します。ある程度の長さの端材は、端部をギザギザに加工した上で、継ぎ足して材料としてリサイクルしています。しかし、30㎝以下の短い材は、結局は燃やして熱リサイクルするしかありません。

工場内には5トンと10トンの2台のバイオマスボイラが設置されていて、出来た蒸気で木材乾燥を行った上で、余った蒸気で数百キロワット程度のタービンで発電も行っています。しかし、それでもまだ廃材が余るので、それは有償で補助燃料として売却している様でした。当然の事ながら、雑多な形状の廃材なので売値は低く、想像ですがキロ当たり数円といったレベルでしょうか。

さて木材は確かに材ではあります。つまりは建物の柱や梁や土台材としての用途ですが、一方で不要な部分は「燃料でもある」訳です。材でもあり燃料でもある木材は、考えてみればその他の用途にも転用できるでしょう。ヒノキやヒバからは、殺菌・消臭作用のある有用な成分も抽出できますから、木材はケミカルでもある訳です。蒸気で処理した木粉は、プラスチックと同様射出成型機に掛ける事が出来る流動性が生じますのでプラスチックにもなるはずです。(木材プラスチックでもある)更に挙げれば、木材を燃やした灰はカリ分など植物が必要とするミネラル分も含まれますので「肥料でもある」のです。カエデやシラカバからはシロップやキシリトールも採れますので、樹種によっては「食べ物でもある」事になります。

結局、木材をたった一つの利用目的である材だけに使うのはあまりにも勿体なさ過ぎるでしょう。木材工場を、コンビナートに仕立てれば、一本の木材は少なくとも数種類の用途に「多面的に」あるいは「カスケード的」に活用できる筈です。最後は熱になって私たちを暖めて二酸化炭素に戻って「成仏」してもらえば良い訳です。これが炭素循環におけるカスケード利用の説明です。

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