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2014年11月 7日 (金)

2541 精密農業

何かの拍子に頭の中で二つの言葉がくっつきました。この言葉、「精密・農業」を、自分なりに定義するとならば、農作物の状態を正確に把握した上で、その時点で作物が必要とする条件を可能な限り満たしてやることを指します。作物の成長過程で必要とする条件は、灌水と気温+日射である事が多いのですが、いわゆるNPKなどの養分、あるいはMgなどの微量金属元素、最も基本的なものとしては光合成の必須要素である二酸化炭素濃度も不可欠です。

これらを満たすための農業施設としては、ビニールハウスが挙げられますが、この農業施設の最大の欠点は、特に冬季は開口部を全閉する事なのです。締め切った結果何が起こるかと言えば、日中の光合成(明反応)と、夜間の糖固定過程(暗反応)により、空気中の二酸化炭素を消費しますが、密閉性の高いハウスでは、二酸化炭素濃度がかなり低下していると言う事実は意外に見過ごされています。加えて、ビニールには透湿性が無いので、ハウス内の湿度は極端に上昇している筈です。光合成は、葉が水を吸い上げ、葉緑体が太陽光を使って炭酸ガス同化を行う現象ですが、その際葉の気孔から活発に水を蒸散させる必要があるわけです。気温がそれなりに高く、日照があって、灌水も十分でも、ハウス内の高い湿度によって、光合成が阻害されるのです。高密度に植えられた農作物は、同時に二酸化炭素濃度も低下させますので、二重に成長が阻害される事になります。

一方、灌水も問題です。灌水して、植物がそれをほぼ全部吸い上げる場合は問題ないのですが、余剰な水が無為に蒸発していまう場合、水の中に含まれていた塩類が土中に蓄積し、いわゆる「塩害」が発生しやすくなってしまいます。必要なモノは、作物の状態を正確にモニターするセンサーでしょうか。葉による光合成の活発度、根の付近の土中水分率、や土中の養分濃度やNPKのバランスなど、いくつかの要素をリアルタイムでモニターする必要もあります。その上で、足りない要素だけを重点的に補充する事により、最少のインプットで最大のアウトプットが得られる事になります。これまでは、これらのコントロールはベテランの農家がカンで行ってきましたが、これからはやはりデータの基づいた精密な管理が必要となりそうな予感があります。つまりは、農業におけるJITです。

なお明日は休稿です。

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