« 2550 鳥と飛行機 | トップページ | 2552 植物・工場? »

2014年11月21日 (金)

2551 山業

林業という分野に就業している人口は、現在では7万人レベルまで減少している様です。一時はもっと減っていた様ですが、林業男子や女子の参入もあり最近少しは増えた様ではあります。山業は、いわゆる産業ではありません。産業の業は作業であり、山業の業は「業(なりわい)」だと思うからです。投稿者の中では、作業とはお金のために決まった事を繰り返し行う事を指しますが、「なりわい」とは自分の意志で工夫を重ねながら手仕事をこなし、それを気に入ってくれた人からなにがしかの謝礼を受け取る、といったイメージなのです。

さて山業です。山を相手にするためには、樹木や関係する植物(雑草も含みます)を良く知り、それらを自然の摂理の中で、下草刈りや枝打ちで汗を流しながら、樹木を上手く育てる必要があります。しかし、その成果は、実は自分の子孫に引き渡すだけで完了するわけです。一方で、自分のご先祖が育てた樹木を有難くいただき、それを伐採して搬出する事になります。木もただ伐れば良い訳ではないでしょう。樹齢を読み、育ち具合を読み、切り倒した後の周辺の木への陽当たりを読み、倒す方向を考え、搬出方法を考え、然る後にチェンソーの歯を入れる筈です。

樹木は切り倒した瞬間に「木材」になる訳ですが、ご先祖様が育んだ木材は可能な限り、全ての部位を多段階で活用しなければバチが当たります。用材となる中心部分はもちろん、樹皮やいわゆる背板部分、あるいは林地に切り捨てられる事も多い枝葉も最大限の活用を考える必要があります。自然が創ったモノに無駄なものは一切無い筈なのです。かつては、マツから落ちた松葉でさえ集めて、焚き付けとして活用していたではありませんか。材料として使えない部分は燃料としての利用でも構わない訳ですが、もっと知恵を絞れば、更なる活用法も見えてくるかも知れません。例えば、水蒸気や臨界水などを使って、樹木に含まれる有効成分(例えばヒノキチオールやツヤ酸やタンニン等)を抽出する、あるいは化学的に処理を行って石油様の液体燃料を得る、さらに言えば木材そのものを高度に加工して、工業材料と同等レベルまで強度を高めるなどが考えられます。

つまり、山の木を伐採して降ろす作業だけが山業ではなく、それを多面的に利用して結果として雇用もお金も生み出すナリワイ全体を指す言葉だと定義したいのです。そこまで考えれば、山業は、現在の10倍以上、つまりは100万人以上の雇用を生む立派なナリワイに再度成長する事が出来ると見ています。

|

« 2550 鳥と飛行機 | トップページ | 2552 植物・工場? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2551 山業:

« 2550 鳥と飛行機 | トップページ | 2552 植物・工場? »