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2015年1月15日 (木)

2594 地方創生、その前に

新年度予算をチラッと眺めると、地方に向けたかなりの額の予算が準備された様です。しかしながら、お金で解決するほど地方に山積する課題は単純ではないでしょう。地方が貧乏だったが元気だった時代、何しろ地方には人が溢れていました。団塊世代がなだれ込んだ学校時代は、小中学校、高校の教室がパンパンに膨れ、廊下にまで机を並べていたほどでした。町の中心部には毎日「市(いち)」が立ち、人通りも多く賑わいがありました。

つまり、賑わいが消えた真の原因は、都市が田舎の人口を吸い取ってしまったこの国の構造的な問題だと思うのです。地方創生にいくら税金をつぎ込んだとしても、その結果いくつかの企業を誘致出来たとしても、やはり若者を田舎に引き付ける引力にはならないでしょうし、その地域の雇用やGDPを押し上げる割合も微々たるものでしょう。よく引き合いに出される経済の成功例のデータとして、戦後の日本の「奇跡的高度成長」が挙げられますが、この時期は同時にベビーブーマーが大挙して成人し、豊富な労働力となると同時に旺盛な消費者になった時期と重なっても居るのです。

しかし、少子高齢化が極限まで進んでしまった地方に、いくら税金を流しても、結果はついてきません。もし、同じ額のお金を使うのであれば、若者の{UターンやIターンへのインセンティブとして用意するべきでしょう。住む場所をタダ同然で提供する、売り物にならない食材をタダで提供する、そして田舎の暮らしを支える生業(なりわい)産業を復活させる、などを組み合わせれば、若者も興味を示す筈です。生業産業とは、まさに人々の衣食住を同じ地域で支える産業の事で、移り住む若者も自分自身の生活を支える仕事でもあります。耕作放棄地での自給+アルファの農業、エネルギー産業としてのバイオマスの収穫や販売、住宅の耐震、高断熱化改修、高齢者世帯の買い物サポート、などなど、日々の生活を支える仕事ならいくらでも考えれます。

今はそれが人手不足でそれが出来ないため、暖房給湯は石油やガスで賄い、高齢者は仕方がなく施設や病院に集め、薄い壁の家でエネルギーをガンガン使う暮らしの「悪循環」にハマっているだけなのです。地方創生の中身は、まさにその悪循環を断ち切る方策でなけれなならないのです。

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