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2015年1月19日 (月)

2598 共有財産

2597の私有財産に対して、共有財産という概念もあります。都市では、自治体が税金で作ったインフラは、ある意味での共有財産ではありますが、だからと言って住民がその所有権を主張する事までは出来ません。もちろん代価を払ってそれを利用する権利はありますが、その人の財産ではない訳です。しかし一方で、田舎に行けば現在でも立派な共有財産の形を見る事が出来るでしょう。たとえば「入会林」です。ここでは、住民が話し合いの上ですが、そこで山菜を取ったり、持続可能な形で薪を採取したりできるのです。投稿者が生まれた地域では、その入会林の規模が大きかった事もあり、現在でも「財産区」という形の、いわば法人格が存在しています。

江戸時代の先人が苦労して広大な防砂林を植林したため、その防砂林は全て地域住民の共有財産となった様なのです。戦後は、その一部のマツ林を伐採して、企業に貸したりしいますので、その地代が地域の共通の収入となり、地域住民が利用する公共施設や、今でも盛んな地域の集まりや行事の際の助成金などとして使われてもいます。想像ですが、多分この財産区の予算規模は、年間数千万円規模になっていると思われます。

そもそも土地とは誰のものであるかについては、しばしば議論がなされます。ヒトが地上に出現するはるか以前から、「土地」はそこに存在した訳で、先に農地として開墾した者か、あるいは単に強い武力を持っていた豪族が、その所有権を一方的に宣言してきたに過ぎないでしょう。少なくとも、個人的には、生産が続いている農地や実際に家が建っている敷地は別にして、耕作放棄地やあまり利用さえていない山林などは、強い意味での所有ではなく、上で述べた入会林や財産区の様に、緩やかな共有が望ましいとは思っています。共有の土地では、そこを持続的な形で利用するため、知恵や労働力を出し合って、住民の集う場所として有効に活用する方法を見つける必要があります。年に数回の山林の手入れや、山菜の収穫、秋口の薪の採取は、地域の結束を強めるのに、絶好の場所だったと、子供時代を振り返っています。

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