« 2604 ローカリズム | トップページ | 2606 ロボット時代? »

2015年1月26日 (月)

2605 先送り

制御理論のイロハですが、系の安定のためには系の状態量をモニターし、変動を生じた場合それを検知して、状態を元に戻すための信号を入れて制御を行います。多くの場合は、系の変動を検知後に速やかに制御を行うフィードバックという手法を用います。複雑な制御では、予め制御信号を入れて、系の変動量を抑えるフィードフォワードを組み合わせる場合もあるでしょう。制御系が壊れている場合や、敢えて変動を放置した場合には、変動量は大きくなり、最悪の場合には変動量が発散し、系の破壊に至る場合もあるでしょう。例えば、車のオートクルーズが故障し場合、車は停止しないで逆に暴走事故を起こしてしまう例などが挙げられます。

さて、上を踏まえてここで書いておきたいのは、社会システムの一つとしての行政における「先送り事案」についてです。政治が判断を回避して、決定を先送りする事案は、これまでも数多く繰り返されてきましたが、例えば高度成長期に様に右肩上がりの時代においては、先送りしたとしても事態悪化の可能性は少ないでしょう。人口が増え、経済規模が膨らむのは、時代の勢いであり、放置しようが、しまいが結果にはあまり差が出ないのです。

しかし、右肩下がりの時代は話が全く違います。それは航空機の離着陸の事を想像すると分かりやすいでしょう。離陸の時は、エンジンの出力によってゆっくりと離陸する事も、急角度で離陸する事も自由です。一方着陸は、ベテランが操縦しても未熟パイロットが操縦しても、進入角度や飛行速度、フラップなどの操作など、全てがある範囲に無ければ着陸には失敗(ハードランディング)が待ち構えていることでしょう。社会システムにおけるハードランディングとは、つまりは特に経済面でのシステム破綻に他なりません。近年の歴史上でも、ある国が国際的な決算が出来なくなって破綻(例えばデフォルト)に陥った例は見つかりますし、現在もアブナイ国々も存在します。多くの場合は、国際的な金融組織が救いの手を差し伸べたりして、ギリギリ回避された例はかなり頻繁に観察されます。

さてこの国の場合はどうでしょうか。それが必要であっても、選挙で票を集められない政策の多くは、ほぼ例外なく先送りされてきたと言うしかありません。消費税の問題もそうでしょうし・・・。先送りをしても制御は機能せず、外乱の放置と何ら変わりはありません。かなりの頻度で、放置は罪につながる事も多いのです。

|

« 2604 ローカリズム | トップページ | 2606 ロボット時代? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2605 先送り:

« 2604 ローカリズム | トップページ | 2606 ロボット時代? »