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2015年2月11日 (水)

2621 選択肢と決定

物事を決定する場合、いくつかの選択肢の中から選ぶと言う方法が一般的でしょう。また選択肢が多い程、理想的な決定に近づくのだとも、思われがちです。つまり選択肢の少ない二者択一ではなく、5,6個の選択肢の中から選べば、たぶん間違いも少ないはずだと思うのでしょう。とは言いながら、例えばデザインコンペなどで応募総数が多ければ多い程、その中で決められたデザインの質が高くなるかと問われれば、疑問だと言うしかありません。

選択肢から選ぶ前に、先ずは選択基準がいると思うのです。最低限必須でクリアすべき条件は何か、是非欲しい条件な何か、盛り込まれていれば好ましい条件は何か、もし可能なら含まれていれば更に好ましい条件は何か、など多段階にゲートを設けておくべきでしょう。数多くの応募があっても、それらの条件を次々にクリアする作品は、もしかすると含まれていない可能性もあるでしょう。仕方がないので、選考者は並みの一番上にある作品を採択するのです。

選択でもう一つ考慮しなければならないのは、多面的なゲートでしょう。例えばインフラ建設のコンペで、機能やデザイン的にはベストだと土木工学の専門家が太鼓判を押した作品が選ばれたとしましょう。しかし、別の視点で見れば例えば周囲環境の保全には相容れない構造だったり、あるいはその地域の将来計画に照らしてみれば「奇異」なデザインだったり、そのインフラが用済みにになったり、寿命が尽きた時に解体するのに骨が折れる構造だったりする訳です。新たな国立競技場がそうではない事を願うばかりです。同じ意味で、今の原発の構造が最適なものであったかどうか、いざ廃炉にして解体しなければならなくなって、今の技術者は途方に暮れているのです。今あるインフラ建設や設備機械や製品が、一体どこまで修理やメンテナンスを考えてデザインが決まったのか、元技術屋としては心元ない限りです。真摯な反省が必要です。

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