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2015年2月17日 (火)

2627 モノとカネ

この世に先に存在したのはもちろんモノです。しかし別々のモノを持っている同士の物々交換は、結構面倒で、常に現物を一々持ち運ばなければならないので、何時しかモノに代わるシンボルとして通貨が使われ始めました。最初は石や貝であったものが、やがては銅や金銀の金属になり、近世になって印刷技術が発達するにつれて、精巧に印刷された紙の通貨=紙幣になりました。しかし、水に濡れたり燃えたり破けたりする紙幣もやがては、便利な電子マネーにその座を徐々に明け渡しつつあります。というより、取引額においては電子マネーが既に通貨の王座に座っているのです。私たちの知らないうちに。電子マネーの価値を担保するのは、国や金融機関のシステムに対する「信頼」しかありません。

大航海時代に至り、海運が拡大するにつれて、モノの輸送を担保する仕組みとして保険制度が発達し、同時に先物取引などの相場も発達したのでしょう。また国や自治体や企業が発行する債券なる「信用価値」も流通するようになりました。しかし、考えてみればその頃からモノとカネ(価値のシンボル)の乖離が始まったのでしょう。つまりモノに裏打ちされないカネの存在です。もちろん、今流通していたり、システム上に流れ、ストックされているカネを、実際のモノで担保する事は不可能です。何故なら、例えば石油マネーに相当するモノは、既に消費されて大気中の二酸化炭素になってしまっているからです。いくらもう一度二酸化炭素を集めても、一銭のお金にもなりません。炭酸ガスとして流通してしているモノは、もちろん電力というお金掛けて作った別物に過ぎません。

モノに裏打ちされないカネはもはやお金(通貨)ではなく、富と呼ばれるモンスターに化身したと言うしかありません。モンスターと表現したのは、もはや誰にも十分には制御できなくなったからです。その価値は、紛争や破産境界線上の国々や、時には一企業の破綻などをきっかけに膨張収縮を繰り返し、ネット上を秒速で走り回るのです。まさに見えないモンスターです。たぶん続きます。

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