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2015年2月19日 (木)

2629 ロボット社会?

日本はロボット大国だとか。あるいは、この国のリーダーはロボット社会を実現したい様です。実用的なロボットは、Uニメート社のライセンス生産から始まって、車のスポット溶接や塗装作業に用いられた工業用(スカラー)ロボットは、優れたロボットメーカー群の努力もあって、工業用ロボット分野では、ドイツやフランスの有名処に伍して、世界的なシェアもそれなりに占めています。一方、某車メーカーや家電メーカー、果てはIT企業まで、いわゆるペットロボやエンターテイメントロボを手掛けて、市場に送り出しています。

しかし、よく考えてみればこれらのロボットは、固定式の工業用多関節ロボと、動けるが芸や会話しか出来ない役者ロボに分かれ、間を埋めるカテゴリーのロボットが見当たりません。間を埋めるとは、移動が出来て実用的な力仕事もこなす、いわばアトム型ロボットです。例えば、放射線が満ちている原発事故現場の作業ロボや、災害現場での捜索ロボ、あるいは介護現場でのアシストロボなどなどです。理由ははっきりしています。行動範囲の自由度が大きく、広く動き回れ、加えて人を軽く持ち上げるほどのパワーを持ったロボを、街に解き放つのは、制御が上手くいかなくなった時には人に危害が及ぶ恐れが出てくるからです。従って、アトム型ロボを実現するのは、多分50年先でも難しい課題のままでしょう。難しい理由は他にもあり、ヒトの筋肉の様なアクチュエータが実用化されていない事と、動力源としてはエネルギー密度の低いバッテリーしか見つかっていない、という技術的な台所事情も挙げられるでしょう。

ならば、割り切って人間のパワーを補助するパワースーツに開発を絞ってしまうのも一方法でしょう。これでは流石に原発事故現場には入れませんが、その場合は自由度の大きなエンタメロボを中に入れて送り込めばどうにかなりそうな気もします。ロボット社会やロボット大国を標榜しようと考えるなら、この分野のロボットに注力しないと、それは掛け声だけに終わってしまう事でしょう。アトム型ロボット時代は、21世紀には間に合わなかったし50年後も実現できていないと無責任に予言しておきましょう。

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