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2015年4月 7日 (火)

2601 気候変動と宗教

センシティブな話題なので慎重に書きますが、歴史上の宗教地図に気候変動が大きな影響を与えた筈だとの見方があります。たとえばD.キーズ著の「西暦535年の大噴火」に詳しく記述されています。この本の前段では、気候変動、この時代は人類史上でも記録的な寒冷化が進み、全世界規模での冷害不作による飢餓と、弱り目に祟り目の伝染病、この時代は腺ペスト(いわゆる黒死病)による大量死が起こったと、各種の記録や傍証(たとえば氷床コアや木の年輪など)から論証しています。ペストは、東アフリカの風土病に留まっていたものが、交易の拡大により欧州に入り、民族の移動と共に各地に拡大、蔓延していった様です。

この時代、欧州では(東)ローマ帝国が支配していましたが、不作による飢餓とペストによるダブルパンチによって国力が衰退しかけたところに、弱みに付け込んだモンゴルやアラブからの侵入があり、その勢力範囲はドンドン西に追い詰められていったのでした。もちろん、侵入者側にも同時に寒冷化や伝染病は大きな被害をもたらした事でしょう。人々は、当時の「人智を超えた」太陽光の急激で長期(数年)にわたる弱まり、結果としての寒冷化=飢餓並びに追い打ちをかけた伝染病は、神の仕業だと確信したのも頷ける話です。問題は、新たに生まれた人=神である宗教を信じたか、それと異母兄弟の様な宗教を信奉したか、あるいはこの時期に出現した預言者を信じたかによって、同じ民族の系譜であっても互いに確執を深めていった様です。その際に各地で繰り広げられた殺戮は、信じられない程おぞましく徹底したもので、ここで書くのははばかられる状況でした。まさに、今中東で繰り広げられている紛争の根を辿ると、1500年前のこの時代に始まったことはは間違いなさそうです。これに比べれば、この国の戦国時代の戦など、ささやかな争い事に感じてしまう程です。

さて、この時代の数年にも及ぶ酷い寒冷化は、赤道付近で起こった大規模な火山噴火によって引き起された可能性が高い事が、いくつかの傍証によって示されています。火山の場所は特定されていませんが、スマトラ島とジャワ島の切れ目付近のカルデラがその火山ではないかと言われています。もしかすると、火山の大爆発によって大きな長い島が真っ二つに分断された可能性すらも指摘されています。さて、何んでこのテーマをここで取り上げたかですが、火山活動に関しては、現在は比較的安寧な時期にありますが、この時の大爆発に匹敵するほどのマグマを貯め込んでいると思われる火山が、なんと世界には9か所もあると、上記の著書は指摘しているのです。火山の大爆発は、大気中に火山灰やエアロゾルをまき散らし、数年程度の寒冷化をもたらす筈です。航空機の飛行は全くできなくなり、冷害による食糧不足は世界中に飢餓を引き起こすのです。温暖化に注目すると同時に、私たちは来たるべき大噴火も視野の片隅に入れておかなければならない様です。もしかすると続きます。

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