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2015年4月 2日 (木)

2669 何を作るか2

2668の続きです。何を作るかを考える前に、私たちが持続可能を高めるために何を諦めるざるを得ないかを考えてみましょう。「持続可能性」を絶対的な前提に置けば、再生可能ではないエネルギーや資源に依存している製品は、遅かれ早かれ社会から退場せざるの得ない事は自明です。例えば、植物から得られるエタノール以外の化石燃料を使う内燃機関を動力とする乗り物(つまりは車など)、あるいは外燃機関(ジェットエンジンなど)を動力とする乗り物(つまりは航空機なす)、更には化石燃料を使って発電された電力を多量に使う多くの産業もやがては姿を消す運命にあります。

その中には、太陽光発電パネル(PV=シリコンの単結晶を必要とする産業)なども挙げられますが、それは太陽光発電で起こした電力で太陽光発電パネルを製造できる工場が建設出来ない限り、やはり持続可能ではないと言うしかないからです。多くに金属を精錬する産業も、持続可能性は低いと言えます。鉱石を採掘する現場には、石油で動く超大型の鉱山機械が蠢いているでしょうし、アルミニウムに至っては、ボーキサイトは豊富に採掘出来るにしても、精錬するためには莫大な電力を必要とする「電力の塊」でしかないのです。そんな産業に今後ますます貴重になるであろう大きな電力を差し向ける訳にもいきません。

農業も考え直さなければならないでしょう。多くの穀物は、広い平原を持つ国、例えばB国やG州などで大規模に栽培され、収穫されます。多くの場合、天水では間に合わず、地下の深い地層からポンプで水を汲み上げ、ピボットと呼ばれる灌水装置を動かして栽培されます。収穫は、信じられない程大型のトラクターやコンバインを使って行われますが、そこにも多量の石油が必要としています。もちろん、農場で菜種を栽培して、絞った菜種油で農業機械を動かす事も可能ですが、そうなれば農地の一部は「燃料畑」にせざるを得ない訳で、食糧確保との厳しい競合が起こるでしょう。現在の様に安く大量に供給される穀物は、石油の賜物だと言えるのです。

更に、海外から多量に輸入される食肉用の家畜は、環境に大きな負荷を与えながら収穫された穀物をエサとして与えて肥育するため、輸入穀物より更に持続可能性は低いと断ぜざる得ないのです。加えて、家畜のゲップに含まれるメタンは、CO2より一桁強力な温暖化効果ガスである事は、あまり意識される事はありません。この様に考えてくると、私たちには早晩諦めざる得ないものが相当にある事に気が付きます。

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