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2015年4月 5日 (日)

2672 何を作るか5

最後に、投稿者のフィールドでも「あった」工業製品についても触れましょう。戦後の高度成長期を通じて、この国は工業化に勤しみ、やがて先進国の仲間入りを果たしました。最初は、今のC国や他のアジアの途上国と同様、先進国(米、英、独など)のライセンスや設備を導入して作り、あるいは海外のブランド品の模倣から始まった事でしょう。工業化のエポックは、W.E.デミングに導かれた「品質管理」を前面に押し出したモノづくり原則の徹底が始まった事でした。もちろん、少し遅れて、T社のムダ取り手法であるカンバン方式も大きく寄与した事でしょう。

しかし、強調しておかなければならないのは、工業製品は、衣食住の様に「絶対不可欠」なものではないという点です。例えば金属やプラスチックで作られた工業製品は食えないので、間違いなく空腹を満たす事は出来ません。それらは、生活を便利に、快適にする「手段」ではあっても、それを作る行為自体が「目的」ではないでしょう。そこを取り違えると、需要と供給の順番に逆転が生じてしまうのです。厳格な品質管理とカンバン方式=JIT生産で、効率良くしかも安く生産したとしても、実際の需要と結びついていない限りにおいては、在庫量が積み増されるだけに終わってしまいます。

追求すべき真のもの造りは「注文生産の原則」を追求するべきだと思うのです。車の生産で言えば、確実なオーダーが入って初めて車体を形成する鉄板のプレスが始まり、それが生産ラインに乗るべきなのです。オーダーとラインに乗った車体のシリアルNOとは一体一で対応する事になります。当然の事ながら、在庫は材料や納期の長い部品だけに圧縮されますから、倉庫代や金利も圧縮できます。もちろん、顧客は納車までには1か月程度かそれ以上は待たされる事になるでしょう。でも、考えてみれば大根を買う訳ではないので、車ほどの大型商品を買う決心までにはそれなりの時間もあった筈なのです。注文生産の仕掛けは比較的簡単で、メーカーは顧客に納期を明確に提示するだけでOKです。顧客は納期を確認して、必要となる日から逆算して注文を入れれば良いのだけです。

それでは生産現場の操業度に山谷が出来そうだと突っ込みが来そうですが、ビッグデータが利用できる時代、注文の傾向もある程度は予測可能でしょうし、もし予測が外れても、例えば早期予約にはより高い割引率を設定するなどの特典を付ければ、安定した量のオーダーも確保できるでしょう。使うべきは宣伝費ではなく知恵なのです。

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